シリーズ「SNS型投資詐欺を防げ!」母親が400万円をだまし取られたタレントの後悔 “うちの親に限って”は捨てる 大切な人の被害を防ぐために 福岡
シリーズでお伝えしている投資詐欺についてのニュースです。福岡で活躍するタレントが、家族が数百万円の詐欺被害に遭ったと訴えています。その経験は本人だけではなく家族も苦しめています。
■西川友紀子さん
「お願いします。」
福岡でタレントとして活躍する西川友紀子さんです。めんたいワイドでもおなじみです。その西川さんが明かしてくれました。
■西川さん
「母親が使っていた携帯電話に、著名人をかたった『お金あげます』というメールが。気づいたときには400万ぐらい振り込んでいた。」
3年前、母親が著名人を語った投資詐欺で400万円をだまし取られたと訴えています。名前を使われた著名人というのが、実業家の前澤友作氏です。
■西川さん
「(母親が)『あなたたちも知ってるような有名人の方に運用してもらっているから大丈夫』と。『その有名人、誰なの』と聞いたら『前澤さん』と言ったので、これはまずいなと。」
母親の携帯電話に、“前澤氏”が関わる事業への投資を呼び込むメールが届いたと言います。もうけは年利30パーセントでとうたっていました。
■西川さん
「前澤さん(本人)からではないという感じだった。ただ前澤さんがやっている事業への投資なので、ZOZOとか宇宙とか出てくる。うちの母が何か今回は宇宙開発に回しているらしいとか、今回はZOZOに投資しているらしいみたいな。有名人だから安心しちゃうんでしょうね。」
「老後資金の足しになれば」という思いから、母親は相手の指示に従いコンビニで十数回にわたり、あわせて400万円分のプリペイドカードを購入。お金を使えるようになる番号をメールで相手に教えました。
その後、お金が戻ってくることはありませんでした。
事実を知った西川さん。当時のブログには複雑な心境がつづられていました。
■ブログの文面
「お母さんが詐欺にだまされたのも、結局不安だったからだよね。誰も守ってくれないって思ったんだよね?そんな思いにさせてしまったのは私のせいだよね、ごめんね」
■西川さん
「ショックですよね。うちの母は結構しっかりしているタイプだったので、まさかそういうものにだまされるというショックと、リアルにお金がなくなっているというショック。」
1人暮らしだった母親と、もっとこまめに連絡を取っていたら防げたのではないかという後悔は消えません。
警察も、1人暮らしの高齢者が被害に遭う現状に危機感を持っています。
先週、自治体、金融機関なども参加して行われた緊急対策会議では、1人で悩まずに地域全体で詐欺の情報を共有し、連携していくことの大切さが確認されました。
投資業界も相談しやすい環境を作る取り組みを始めています。
■日本証券業協会 普及推進部・金子敏之さん
「(投資で)絶対もうかるというのは詐欺です。投資に“絶対”はない。こんなうまい話が本当にあるんだろうかと、まず考えてみること。あとは身近な方にこんな話があるんだけどと、聞いてみる。(日本証券業協会の)コールセンターに相談してもいい。」
家族が被害に遭ったと話す西川さんが訴えるのも、誰かに相談することの大切さです。
■西川さん
「よく『うちの子に限って』と言うが、『うちの親に限って』と思う。その思考を捨てる。うちの親だからこそ、だまされてるかもしれないと思った方がいい。違う分野に相談できる人を何人か持つこと。結論を自分だけで決めない。いったん冷静になって考えてみる、誰かに相談してみると、少しでも防げるのかな。」
※FBS福岡放送めんたいワイド2024年5月17日午後5時すぎ放送