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【ワンビル】福岡市南区→天神に本社移転で広々 一方でオフィスフロアの入居は6割 需要と供給の今後は

2025年3月7日 18:13
【ワンビル】福岡市南区→天神に本社移転で広々 一方でオフィスフロアの入居は6割 需要と供給の今後は

4月24日に開業が迫った「ワンフクオカビルディング」で、オフィスフロアが報道陣に一足早く公開されました。天神ビッグバンによる需要を取り込む動きも加速しています。

■加藤雅大記者
「広いですね。オフィスには間仕切りはなく180度、見渡せます。」

福岡市・天神の「ワンフクオカビルディング」の13階と14階に入居するのは、九電工の本社です。ことし5月に、この「ワンビル」で業務を開始します。

現在は福岡市南区那の川に本社を構えていますが、今回、本社機能を「ワンビル」に移転することにしました。

■加藤記者
「窓からは福岡パルコもすぐそばに見えて、天神の街を一望することができます。」

およそ7000平方メートルの新オフィスで、900人あまりが働きます。「フリーアドレス」で、座席は決まっていません。部署は関係なく、誰がどこにでも座れます。

■九電工 本社移転プロジェクト・功野一也課長
「天神1丁目なので、この場所でつながることで、社内でも社外ともつながることで事業領域の拡大ができれば。」

4月24日の「ワンビル」開業に向けて準備が進む中、福岡市の再開発促進事業「天神ビッグバン」の影響で活況を呈している場所があります。

■伊田孝ディレクター
「こちらで何をしていますか。」

■アダル 総合工場・向江友輔 工場長
「オフィス家具向け用の出荷準備です。こちらの商品も天神に納めるので、出荷が慌ただしくなっています。」

オフィス家具を取り扱う福岡県宇美町の会社では、3年ほど前から天神ビッグバンによりオフィス移転が増え、イスや机などの注文が殺到しているといいます。

■向江 工場長
「約10店舗ほど、いろんなところで卸しています。それぐらいまとまって入ってくるのは珍しいことではあります。」

ことし1月にはヒューリックスクエア福岡天神が開業し、4月にもワンビル開業を控え、前年より受注が15%程度増えました。

中でも人気なのが、会議用のテーブルです。

■向江 工場長
「オフィス関係に使うテーブル、コンセントなどを中に置いてパソコンを充電できるように開口をつけたテーブルです。オフィス需要を見込んで開発をしています。」

コロナ禍ではリモート会議が増え、あまり需要はありませんでしたが、いまは対面で会議をする企業が多く大きめのテーブルが人気です。

■向江 工場長
「想定した以上ではあります。今後も含めて、福岡はまだまだ盛んになるかなと感じています。」

その一方で、気がかりな面もあります。ワンビルのオフィス向けフロアの入居は、現時点で6割にとどまっています。今後も天神や博多に次々とオフィスビルが建設されるため、オフィスが供給過剰になる恐れがあります。

これについて、大手不動産サービス会社の担当者は。

■JLL・山口武リサーチディレクター
「(供給過剰は)短期的な事象に過ぎなくて、福岡という街が国内でも屈指のオフィス需要が旺盛な都市で、天神ビッグバンによる優れたオフィスビルができることは、より多くの企業を集めることにもつながる。」

供給を上回る需要を生み出せるか。企業にとって魅力的な、官民一体となった都市づくりが求められます。

最終更新日:2025年3月7日 18:13