「助けてと言えるまちに」暴力団事務所の跡地につくる希望のまち 抱樸(ほうぼく)の新たな挑戦 特集「キャッチ」
■NPO法人「抱樸」・奥田知志理事長
「ここに並んでる方々は、路上で亡くなっていった人たちがほとんどです。」
1月3日、北九州市小倉北区の勝山公園。並べられた木の札には、路上で息絶えた人や、遺骨の引き取り手がなかった100人以上の「生きた証し」が記されています。
■奥田理事長
「この命、忘れません。黙とう。」
黙とうを呼びかけたのは、北九州市のNPO法人「抱樸」の理事長、奥田知志さん(61)です。30年以上にわたり、路上生活者などの困窮者に手を差し伸べてきました。
追悼集会のあとにはカレーが振る舞われました。多くの人の心と体を温めます。抱樸の支援を受けている男性に話を聞きました。
■山下さん(67)
「(普段は)ウロウロ、ウロウロしよるよ。ホームレスじゃん、今。金がない、住むとこも出らないけんし、家賃も払えん。兄弟がいるけど、迷惑かけたくないから。」
かつては正社員として働いていたという山下さん。借りた部屋をめぐってトラブルになったことから、やむを得ず部屋を出て、路上生活になったといいます。
■山下さん
「夜はどこか寝る所を探して寝るよ。それしかない。」
■奥田理事長
「ちょっとでも体調がおかしいと思ったら、声をかけてくださったら対応しますので、一人で悩まないようにしてください。」
「抱樸」は冬場、毎週金曜日の夜に炊き出しを行っています。食事や衣類の提供、住まいの確保に向けた援助などを通じて、これまで3700人以上の自立を手助けしてきました。
この夜の炊き出しには、先日、話を聞いた山下さんの姿もありました。
■山下さん
「楽しいよ、知り合いと話すの。」
「抱樸」が大切にしてきたのは「つながり続けること」です。
■奥田理事長
「もともと他人だけど、ここで顔を合わせたり、名前で呼び合っている人たちもいます。だから何よりもやっぱり、つながりが大事なんです。関係づくりの場所としても、この炊き出しをやっている。」