【給食費の無償化】福岡市が検討 県内ですでに取り組む自治体・見送る自治体 判断分かれる
福岡市の高島市長は、小中学校の給食費無償化に前向きに取り組む考えを示しました。県内では無償化を進める自治体がある一方で、財源不足などで無償化を見送るところもあり、判断が分かれています。
福岡市東区にある和白東小学校。午前の授業が終わり、みんなが待ちに待った給食の時間です。この日の献立は、黒糖パンに、かぼちゃのクリームスープ、そして、白身魚のフライです。
■子どもたち
「手を合わせてください。おいしい給食いただきます。」
「めちゃくちゃおいしいです。」
「最高。」
「おいしい気持ちで食べています。」
福岡市の給食費は、小学校が月額4200円、中学校は5000円です。その給食費を巡って先週、高島市長が市議会の答弁で、ある考えを明らかにしました。
■福岡市・高島市長
「子育て世帯への支援拡大は喫緊の課題と認識しています。無償化を含む、より踏み込んだ子育て世帯支援について、今後、教育委員会と連携して取り組んでまいります。」
福岡市立の小・中学校の給食費無償化を、前向きに検討する考えを明らかにしました。福岡市によりますと、全面無償化とした場合、新たに必要とされる費用は58億円にのぼるといいます。市税収入が増えていることから、子育て世帯の支援を手厚くしたい考えで、今後、具体的な時期などについて検討していくとしています。
文部科学省によりますと、小・中学校の給食費の無償化は、全国1794自治体のうち、547の自治体で実施されています。福岡県内では、田川市や大任町などがすでに無償化しています。
一方、北九州市では。
■北九州市教育委員会 学校保健課・中山賢彦課長
「おいしい給食大作戦と銘打って、新しい献立の改変に取り組んでいます。」
ことし4月から、地元の有名シェフがボランティアで献立を監修する取り組みを始めました。“給食費の無償化”ではなく、給食の魅力や質の向上に力を入れているといいます。この日のメニューは、地元の中華の名店が監修した「肉だんごのカラフル甘酢あん」です。
■児童
「うまっ」
「おいしいです。」
北九州市の給食費は、小学校で月4300円、中学生で5400円です。物価が高騰する中、国の臨時交付金を活用しながら、給食費の金額を据え置いています。
■中山課長
「こちらが、スチームコンベクションオーブンで調理をしているところです。」
メニューの幅を広げる新たな調理機器を、来年度までにすべての小学校に設置するため、およそ3億円の予算をかけています。
■中山課長
「質を維持しながら、今まで以上においしい給食を提供したいというのが我々の目指すところです。」
専門家は給食費の無償化について、子育て世帯への支援としては“意義がある”とした上で、次のように指摘しました。
■九州女子大学人間科学部・木村栞太講師
「暮らしている自治体によって、給食費が無償化されるのか否かという部分で、経済的負担が大きく違ってくる。財源を理由に無償化を足踏みしている自治体を(国が)財政的に支援する、国として支援のあり方は十分な検討が必要です。」
子どもたちが、毎日おいしく給食を食べられるように。無償化の効果を期待する一方で、自治体の間の格差をどう埋めていくのかの議論も、同時に進めていく必要がありそうです。
※FBS福岡放送めんたいワイド2024年12月17日午後5時すぎ放送