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シリーズ「こどものミライ」給食をおいしく!地元の人気シェフが献立を監修「給食応援団」 北九州市

2024年6月9日 6:40
シリーズ「こどものミライ」給食をおいしく!地元の人気シェフが献立を監修「給食応援団」 北九州市
子どもに人気の「ハンバーグ」と「酢豚」をアレンジ

北九州市が今年度、学校給食の魅力をアップさせる取り組みを進めています。その名も「おいしい給食大作戦」です。地元の人気シェフが無償の「ボランティア」で、おいしい給食メニューに一役買っています。

北九州市八幡西区の黒崎中央小学校では、子どもたちが大好きな給食の時間を迎えていました。この日のメニューは「シェフの北キュー三ツ星献立」と題した、肉だんごのカラフル甘酢あんです。

■6年生
「とてもおいしそう。初めての給食(献立)でワクワクしています。」

北九州市は「おいしい給食大作戦」として、ことし3月に市内の有名シェフや生産者など10人で構成する「学校給食応援団」を発足させました。

和食、洋食、中華の3人の料理人が監修する献立が毎月1回、学校給食に登場するほか、専門的なアドバイスも受けます。

北九州市八幡西区にある田中華(たなか)麺飯店は、担々麵や麻婆豆腐など本格中華が人気の店です。腕を振るうのは「学校給食応援団」の一人、田中賢一さん(41)です。

田中さんはかつて、大阪の有名ホテルで中華料理のシェフをしていました。

■田中賢一さん(41)
「(給食を)とにかくおいしくしたい。もっとおいしくしたい。調理のアドバイスとか、ちょっとした中華のコツってあるんですよ。食材を入れるタイミングをずらすだけで彩りが変わったり。」

学校給食のおかずは、1食およそ170円です。小学生の塩分量は2グラム未満で、食物繊維は4.5グラム以上など基準が細かく決められています。田中さんは教育委員会や栄養士などと協力し、7か月前から試作を繰り返してきました。

試行錯誤した末に給食のメニューとして完成したのが、揚げた肉団子に彩り野菜たっぷりの甘酢あんかけです。子どもたちに人気のハンバーグと酢豚をアレンジした一品です。仕上げに少量の油をかけることでツヤを出す、プロのテクニックを加えました。

新メニュー提供の朝、田中さんは小学校にいました。

■田中さん
「ピーマンは油で揚げた方が絶対食べやすい。」

学校給食は調理器具も作る量も違います。これから年に4回の献立を提案するため、給食作りの現場を学びに来たのです。そして、給食の時間がやってきました。

■児童
「うま!」
「おいしいです!」
「田中さん、なんで、中に入っている野菜はニンジンとピーマンなんですか。」
■田中さん
「ニンジンとピーマン、みんなが嫌いやけ、甘酢にしたら食べやすいかなと。」
■児童
「食べてみて、酸っぱいのと甘いのが微妙にマッチしていて、野菜のまんまで食べても、ご飯に絡めてもおいしかったです。」

■北九州市教育委員会 学校保健課・中山賢彦さん
「子どものころに食べた献立というのは、大人になっても思い出として残っていくものだろうと思います。今、学校に来られてない子どもさんも給食だけは食べに行きたいというように、給食を通じて教育の様々な支援につながっていけばいいなと期待しています。」

田中さんは子どもたちに「以食伝愛」というメッセージを贈りました。憧れの料理人、陳 健一さんにもらった言葉です。

■田中さん
「食をもって愛を伝えたい。(学校給食は)愛情のこもった手料理が毎日、みんなに出されているっていうことを伝えたい。」

子どもたちのためにボランティアで集まった「学校給食応援団」。何よりの報酬は、たくさんの“おいしい”笑顔です。

※FBS福岡放送めんたいワイド2024年5月30日午後5時すぎ放送