高校生がゲームで政治と選挙を考える 架空のまちの「産業課長」「まちづくり課長」に 選管が企画 福岡
福岡県久留米市の高校で、ちょっと変わった「出前授業」が行われました。テーマは政治と選挙です。授業を受けた高校生の意識に変化はあったのでしょうか。
5月15日、福岡県久留米市の久留米商業高校で、ロングホームルームの時間に行われたのは。
■福岡県選挙管理委員会・田中里奈さん
「これからミライシティを理想のまちにするために政策についてみなさんに協議してもらいます。」
自治体を経営する「シミュレーション2040」というゲームです。
ゲームは「ミライシティ」という架空のまちで、生徒1人1人が「産業課長」や「まちづくり課長」などに任命された設定で進みます。
5人1グループとなり「ミライシティ」をどんなまちにしていくのか、事業が書かれたカードを選んで決めていきます。
限られた予算の中で進めていく事業と同時に、廃止する事業も選ばなければなりません。
■道の駅の運営事業について議論
「道の駅いる?」
「観光のものを置くなら必要。」
「買い物が困難な住民のためなので。」
■ブランド化事業について議論
「ブランド化。差別化が図れる。」
「確かに!」
「自社のブランドをすることで、安全・安心を保てるのが一番でかい。」
このゲームを企画したのは、福岡県の選挙管理委員会です。
■福岡県選挙管理委員会・田中里奈さん
「若年層の投票率ですね。投票率は全体的に低い数値を推移しているのですが、特に若年層の投票率が低い数値を推移している。」
去年行われた福岡県議会議員選挙の投票率は、18歳・19歳が24.17%、20代が18.11%と、他の年代と比べても若年層は特に低いことが分かります。
生徒たちに聞いてみると。
■高校生(17)
「周りから情報を得られることが少なくて、身近には感じられないというか、もっと身近な存在だったら分かりやすいのになって思います。」
■久留米商業高校・大塚桃代教諭
「今は自分の身の回りのことで、目いっぱい頑張っている子たちなので、今回のゲームで自分の町とかこれから住む町にちょっとでも興味を持ってもらえたらいいかなと思います。自分の一票ですてきな社会がつくれるんだよってことを学んでもらえたら。」
今回参加したのは、17歳と18歳の高校3年生およそ230人です。ゲーム後に感想を聞きました。
■高校生(18)
「カードゲームを通して裏側の事情を知ることができて、いろんな課の内容を知ることができて、より深く考える機会になりました。」
「18歳になったので、自分も有権者として与えられた権利を使って、自分の住んでいる町や国がより良くなるように自分も選挙に行きたいと思います。」
選挙で一票を投じることが町づくりの第一歩だと学んだ高校生たち。県選管は今後もこうしたゲームなどを通じて若い世代の投票率アップに取り組みたいとしています。