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現金の受け渡しは博多駅そばの商業施設のトイレ 同じタイミングで入る不審な男たち 警察が防犯カメラの「リレー捜査」で追跡

2025年3月6日 19:31
現金の受け渡しは博多駅そばの商業施設のトイレ 同じタイミングで入る不審な男たち 警察が防犯カメラの「リレー捜査」で追跡
福岡県警察本部

息子をかたって高齢の女性から現金120万円をだまし取った疑いで、現金を受け取る「受け子」とその現金の「回収役」とみられる20代の男2人が逮捕されました。2人は博多駅そばの商業施設のトイレで現金の受け渡しをしていたということです。

詐欺の疑いで6日、再逮捕されたのはいずれも無職で、住居不定の中村将大容疑者(27)と、福岡県大川市の近藤幸輝容疑者(25)です。

警察によりますと2人はことし2月、氏名が分かっていない別の人物らと共謀して、福岡県直方市の当時85歳の女性の家に息子をかたって電話をかけ120万円をだまし取った疑いです。

電話の人物は実際に息子が通っていた高校の名前を挙げ、「同窓会から連絡が来ていないか」と尋ねて女性を信用させたといいます。その上で「株でもうけたが、税金を払っていなかった」「税務署の調べを受けることになり、弁護士に相談していて、費用が必要」「使いの者に金を渡してほしい」などとウソを言って女性をだましました。

その後、近藤容疑者が女性の家を訪れ、現金を受け取ったということです。警察は2人の認否を明らかにしていません。

同じタイミングで同じトイレに

今回の事件は、福岡県警と佐賀県警による防犯カメラの「リレー捜査」で容疑が浮上しました。

警察は別の特殊詐欺事件で、近藤容疑者とみられる男が現金をだまし取ったあと、博多駅そばの商業施設まで移動して施設内のトイレに立ち寄っているのを、複数の防犯カメラの映像をつなぎあわせて確認しました。そして、同じタイミングで同じトイレに入っている不審な男の姿を発見したといいます。

今度はこの不審な男をリレー捜査で追ったところ、さらに別の特殊詐欺事件に関わったとみられる男と、同じタイミングで同じトイレに入っていることを確認しました。

警察は、だまし取った現金を商業施設のトイレで受け渡ししている可能性があるとみて張り込んでいました。そして、中村容疑者と近藤容疑者が同時にトイレに入ったのを確認し、出てきたところで声をかけたということです。

逮捕当時、中村容疑者は現金120万円を持っていて、警察はこの日に直方市の女性からだまし取ったものとみています。

「闇バイト」で関わったか

2人に面識はありませんでしたが、近藤容疑者が「受け子」や金融機関から金を引き出す「出し子」、中村容疑者が現金の「回収役」の役割をしていたとみられています。近藤容疑者はいわゆる「闇バイト」で事件に関わったとみられるということです。

警察は2人が特殊詐欺グループの一員で、このグループによる特殊詐欺の被害は福岡と佐賀で20件以上、被害額は3900万円以上に上るとみています。

警察は全容の解明を進めるとともに「知らない人に現金を渡さないで」と強く呼びかけています。

最終更新日:2025年3月6日 19:50