【期待】小ぶりで甘い! 福岡県が10年かけて開発した梨「玉水」とは 主力品種「幸水」と比べてみた
こちら、福岡県が10年かけて開発した県内初のオリジナル品種の梨です。朝倉の人たちの期待が込められた新品種「玉水(ぎょくすい)」。いったい、どんな梨なのでしょうか。
福岡県朝倉市のJAの選果場では23日から、市場流通3年目を迎える新品種の梨「玉水」の出荷作業が始まりました。福岡県が10年かけて開発した、梨では県内初のオリジナル品種です。
■吉村史織アナウンサー
「検査員の皆さんが手際よく梨の選別しています。見た目や大きさなどをチェックしたあと、糖度をはかっています。」
玉水は朝倉市や八女市など県内50軒ほどの農家で生産されていて、23日はおよそ1トンが丁寧に仕分けされていました。生産開始からまもなく、収穫量も少ないことから、県内でもほとんど出回らない希少な品種だといいます。
■JA全農ふくれん・青柳善磨 果実課長
「関東の産地も早めに出荷されて、出荷時期が重なって競合することがあり、路地で早めに収穫できる品種を開発していただいた。」
玉水の生産者の一人、朝倉市の鬼塚孝(70)さんは、5000平方メートルの敷地で、年間8種類の梨を生産しています。
玉水は早生の品種で、県の主力品種「幸水(こうすい)」より半月ほど早く出荷できます。希少価値が上がる上、台風シーズンの前に収穫を終えることができます。
■鬼塚孝(70)さん
「市況としては、高値で取引ができております。」
玉水は直径8センチほどと幸水に比べて小ぶりなものが多いものの、平均糖度は幸水より2度ほど高く、強い甘みが特徴です。
■吉村アナウンサー
「 甘!最初の強い甘みをずっと口の中で余韻を感じます。シャキシャキ、シャリシャリ、口当たりが軽くて夏らしさを感じます。」
糖度が高いと、大雨などで水を吸った場合でも一定の甘さを保てるため、過去に何度も大雨に見舞われたこの地域では特に重宝されるといいます。
一方で、新品種ならではの難しさもあるといいます。
■鬼塚さん
「これはもうちょっとやろな、青いな。」
一般に、梨の収穫期は色づきで判断しますが、生産開始から日が浅いためデータが少なく、どの色が最も適しているのか手探り状態です。また、1本の枝に付く実の大きさがそろわないことも多いといいます。
■鬼塚さん
「この木が大きくなれば、こんなふうに大きくそろうという実験結果も出ているので、あと2・3年たてば大きさがそろうのではないかと思います。力を合わせて、筑前あさくらの梨を盛り上げたいと思っています。」
一足早く、旬の味覚を楽しめる玉水。これから福岡を代表する梨になっていくかもしれません。
※FBS福岡放送めんたいワイド2024年7月23日午後5時すぎ放送