【なぜ】潮干狩りシーズンなのに…和白干潟のアサリに異変「小さい」「みそ汁にできない」大雨が影響か 福岡県全体も減少傾向
ゴールデンウイークのレジャーの一つとして人気なのが潮干狩りです。この時期にシーズンを迎えるはずですが、福岡市の和白干潟ではお目当てのアサリに異変が起きています。
ゴールデンウイーク2日目の28日は、絶好のお出かけ日和となりました。福岡市東区の和白干潟では、親子で参加できる潮干狩りのイベントが開かれました。
■小学生
「これアサリです。」
潮干狩りと言えばアサリです。今がシーズンのはずですが。
■女の子
「見つからん。」
■中学生
「(以前は)多いなと感じられる量だったけど、小さいのしか取れなくなった。」
■母親
「ここ2・3年ずっとこんな感じ。」
■中学生
「持って帰るのには(小さい)という感じ。」
■母親
「みそ汁にはできない。」
大きなアサリが採れなくなっていました。5年前の同じイベントでは砂を掘れば、片手いっぱいにアサリが採れていました。
■高校生
(Q.アサリ採れますか?)「ちょっと採れたんですけど。」
ことしは、高校生が1時間掘っても採れたのはわずか3個でした。いったい、アサリに何が起こっているのでしょうか。
15年以上、和白干潟の生き物を調査している藤井暁彦さんは、天候の変化が影響している可能性を指摘します。
■九州環境管理協会・藤井暁彦さん
「たくさん雨が降って海水が薄くなり、塩分に影響が出たのかな。『少し薄いくらいいいじゃないか』と思われるかもしれないが、(アサリは)低塩分を好まない。」
さらに、地球温暖化による海水温の上昇や、海岸の埋め立てにより繁殖しすぎたアオサという海藻が、アサリの生育不良の要因になっているとみています。
沖に出て1時間半。参加したおよそ70人の親子が戻ってきました。
採れたアサリは全部で319個でした。しかし。
■大きさ測定
「2センチ。」
卵を産む前の3センチ以下の小さなアサリを持ち帰るとアサリがすぐに減ってしまうことから、福岡県では採ることが禁止されています。
違反すると、懲役6か月以下もしくは罰金10万円以下、またはその両方が科せられます。
3センチ以下のアサリは返し、最終的に残ったのは1割にも満たない24個だけでした。
■小学生
「とても楽しかったんですけど、アサリが思ったよりもいなくて、ちょっとびっくりしました。」
■中学生
「(以前は)もっとザクザク採れていた。いい環境に戻せたらいいなと思います。」
■藤井さん
「和白は採れないという話が定着してしまうと(人が)来てくれなくなるのは嫌だなと思う。もう一回増えることを期待しているのですが。」
主催者によりますと、福岡県全体でもアサリは減少傾向にあるということで、干潟の保全のためにも調査を続けていきたいと話しています。