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両親がガザ地区で生まれた福岡の高校生の訴え 曽祖母は避難先で犠牲に「戦争を今すぐ止めて」現地の子どもたちを思い声を上げる

2024年5月27日 18:06
両親がガザ地区で生まれた福岡の高校生の訴え 曽祖母は避難先で犠牲に「戦争を今すぐ止めて」現地の子どもたちを思い声を上げる
福岡で訴える高校生

中東では、イスラエル軍とイスラム組織ハマスの軍事衝突によって、パレスチナのガザ地区で多くの市民が犠牲になっています。そのガザ地区で生まれた両親を持つ16歳の少女が、遠く離れた福岡の地で、戦闘をやめるよう声を上げています。

■デモ行進
「フリー、フリー!やめろ、やめろ!」

26日、福岡市・天神の街に響くシュプレヒコール。訴えているのは、パレスチナのガザ地区で今も、多くの民間人が犠牲になっている現実です。

■エルジャマル・アヤさん(16)
「多くの人たちの生命が脅かされ奪われています。」

このデモを企画したエルジャマル・アヤさん16歳。福岡市に住む高校生です。エルジャマルさんは日本で生まれ育ちましたが、両親がガザ地区出身です。

ガザ地区ではイスラエルの攻撃によって、これまでに3万5000人以上が死亡しました。連日のように市民への被害が拡大しています。

福岡に住むエルジャマルさんにとっても決してひと事ではありません。ことし初めごろ、現地にいる曽祖母が、避難先が攻撃され亡くなりました。分かっているだけで親戚およそ15人が死亡したといいます。

戦闘とは全く関係がない人たちが命を奪われる。そんな現実から目をそらせなくなりました。

エルジャマルさんは弟のモハメドさん(14)と一緒に、遠く離れた福岡から抗議の声を上げることを決めました。

■エルジャマルさん
「私は戦争を今すぐ止めてほしいです。」

■弟 エルジャマル・モハメドさん(14)
「兵士でもない人が、戦争で犠牲になるのはおかしいです。」

満足な食事もとれず、学校にも行けずに命の危険にさらされている。思いをはせるのは、自分と同じ世代の子どもたちです。

■エルジャマルさん
「パレスチナにいる子どもたちも、日本にいる私たちと同じような生活が少しでも早く戻ってくることを願っています。」

エルジャマルさんたちの呼びかけで、デモには福岡市に住むパレスチナ人や日本人の若者などおよそ300人が集まりました。

■参加者
「子どもたちが何の罪もないのにたくさん殺されている。その現実をなんとか変えなくてはいけない。」
「子どもが声を上げているのに大人が声を上げないのは、大人の責任を果たしていないと思う。」

エルジャマルさんは先頭に立ち、声を上げました。

■エルジャマルさん
「フリー、フリー!」
「福岡の市民の人たちが手を振ってくれたり注目してくれている感じがあったので、やってよかったなと思います。これからも戦争が終わるまで、虐殺が終わるまではずっと抗議を続けていきたいと思っています。」

ガザ地区では26日も、イルラエル軍の攻撃によって少なくとも35人が死亡しました。例え、遠く離れた地でも戦闘によって多くの命が奪われている現実を知ってほしい。16歳の少女はまっすぐな声で、私たちに訴えます。

■エルジャマルさん
「多くの人の生命が奪われています。反対すべく一緒に声を上げましょう。」