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冬でも食中毒に注意 福岡市で8年ぶり確認のウェルシュ菌 常温で放置せず食べる前にじっくり再加熱を

2024年1月11日 17:59
冬でも食中毒に注意 福岡市で8年ぶり確認のウェルシュ菌 常温で放置せず食べる前にじっくり再加熱を
冬でも食中毒に注意 ウェルシュ菌とは

福岡市内にあるホテルのレストランで食中毒が発生したことが10日、発表されました。その原因となったのは、熱に強く100度でも死滅しない「ウェルシュ菌」が作り出す毒素です。家庭でも注意が必要です。

食中毒が発生したのは、福岡市中央区の西鉄グランドホテルにあるレストランです。1月3日、ディナービュッフェを利用した客のうち、17人が腹痛や下痢の症状を訴えました。

■吉村史織アナウンサー
「ホテルの外から中の様子をうかがうことはできませんが、食中毒の発生を受けて、中の2つの飲食店がきのうから営業を休止しているということです。」

症状を訴えた17人のうち10人から検出されたのが、ウェルシュ菌です。熱に強く、100度で4時間加熱しても死滅しないとされています。

福岡市でウェルシュ菌による食中毒が確認されたのは、2016年以来8年ぶりです。

■50代
「(聞いたことは)ないです。気をつけないと、でも、どう気をつけていいのか分からない。」

■福岡市食品安全推進課・平野尚人課長
「カレー、シチュー、肉じゃが、 ローストビーフなんかも原因食材になることがあります。大きな鍋で調理されたあと、常温で長時間放置されたことによって、原因食品になることが多々あります。」

街の人からは、こんな声も聞かれました。

■50代
「前の日の夕食に作ったカレーを、次の日の昼くらいまでだったらいいのですが、そのほうがコクがあっておいしくなるような気がするのですが。冬だから、夏ほどにはみんな危機意識が高くはないと思う。」

こうした冬場の常温での保存は、“落とし穴”になる恐れがあるといいます。

■平野課長
「建物の機密性があって、温度がしっかり保たれている建物も多いので。冬場であっても、保存をするなら冷蔵庫でしっかり保存してもらうのが重要。」

ウェルシュ菌は、40度台で最も増殖しやすいとされ、増殖を防ぐには冬場でも速やかに冷蔵庫などで保存することが大切です。

ウェルシュ菌そのものは自然界に広く生息していて、食中毒を引き起こすのは、ウェルシュ菌が作り出す毒素です。

この毒素は、ウェルシュ菌そのものと比べると熱に弱いため、食べる前にしっかり火を通すことが予防につながります。

■平野課長
「(毒素の)エンテロトキシンというのが熱に弱いので、60℃で10分くらいゆっくり、しっかり熱を通すためにかきまぜながら加熱していただければ、それも予防の一つになると思います。」

食中毒の危険性は、夏場だけではありません。家庭でも十分に注意してください。

ウェルシュ菌による食中毒を予防するポイントをおさらいします。

まず「菌が増殖しやすい温度で放置しない」ことです。福岡市によりますと、ウェルシュ菌は43℃から47℃くらいが最も増殖しやすいといいます。冬場でも常温で放置せず、手早く粗熱を取って冷蔵庫などで保存してください。

次に「食べる前には必ずじっくり再加熱」することです。ウェルシュ菌そのものは熱に強いものの、食中毒を引き起こす毒素は熱に弱いため、60℃で10分ほどを目安に再加熱することが重要です。