【衆院選】参議院から福岡9区へ「くら替え」は公認せず 派閥トップは当初から難色 無所属でも出馬するかの判断は
27日投開票の衆院選に関するニュースです。自民党は、衆議院福岡9区への“くら替え”を目指していた大家敏志参議院議員を公認しないことを決めました。大家氏は無所属でも出馬するかどうかについて11日、結論を出す考えを示しました。
9日夜、緊急で開かれたのは自民党福岡9区支部の会合です。
大家敏志参議院議員は党からの公認が得られなかったことを受け、北九州市の西部を選挙区とする9区で支部長代行を務める松尾統章県議などと今後の対応を協議しました。
■自民・大家敏志参院議員
「公認獲得、その後の当選ということを目指して全力でやってきましたので今、本当に率直に悔しいという思い。」
党本部は、衆参両院間の“くら替え”を原則禁止とする党の規約などを踏まえて判断を下し、大家参議院議員の「党公認での」福岡9区への出馬への道は閉ざされました。
おととし、参議院議員として3期目の当選を果たした大家氏。その翌年には衆議院への“くら替え”に意欲を示していました。しかし、所属する派閥のトップ、麻生太郎最高顧問は、出馬を目指した当初から難色を示していました。
■大家参院議員
「私の政治の師である麻生太郎先生からは『参議院で頑張ることがいいのではないか?』という声もありました。現時点で派閥のリーダーの理解を得られているわけではない。」
党の公認をめぐって争った党員投票では、大家氏が同じく福岡9区から出馬する予定の三原朝利 北九州市議会議員に大差をつけて勝利しました。
■大家参院議員
「自分の責任は重大だと思い、議席奪還が使命だと受け止めて全力を尽くしたい。」
その後、自民系の市議会議員などからも推薦を受け、党公認での出馬を目指し1年以上活動してきました。
その思いが絶たれた9日、大家氏の事務所関係者は「われわれの動きはこれまで通りです。動きは止めません」とした一方、ベテランの議員からは「公認が得られなかったのであれば出馬はやめるべき」との声も聞こえてきます。
大家氏は無所属でも出馬に踏み切るのでしょうか。
■大家参院議員
「すべての皆様と相談というわけにはいきませんが、意見を聞きながら、この試練にどう立ち向かうか決めたい。」
大家氏は11日午後、地元の北九州市八幡東区で開かれる選挙対策会議で結論を出す考えです。
公認を争った三原氏は、党本部の決定について「順当」とした上で、改めて無所属で出馬する意向を示しました。
■無所属 福岡9区から出馬予定・三原朝利氏
「党本部もいろんな諸事情を踏まえた上での決定であろうなというふうに思います。私としては、もうとにかくチャレンジャーとしてどのような判断があっても突っ走っていく。」
前回の衆院選で自民党から議席を奪った緒方林太郎氏は、無所属で出馬するのは今回で最後とした上で、「3年間の実績」を訴えます。
■無所属 福岡9区から出馬予定・緒方林太郎氏(前職)
「地元でも国政でもさぼることなく死力を尽くしてやってきたつもりですので、自分自身の信ずるところをしっかりと訴えていきたい。」
福岡9区ではこのほか、共産党の山田博敏氏、参政党の山本直緒美氏が出馬の意向を表明しています。