国会議員の政治資金パーティーに川崎町長が公費「違法ではないが今後は公費はやめておく」福岡
福岡県川崎町や吉富町の町長が、地元選出の国会議員の政治資金パーティーに税金が原資である公費で出席していたことが分かりました。一部の町民や議員からは不適切などの声が上がっていて税金の使い道を巡って波紋が広がっています。
■宮原真記者
「町の予算である町長の交際費が、地元の国会議員、武田氏の政治資金パーティーに支出されていた今回の問題、町長はどのように説明するのでしょうか。」
川崎町議会は多くの町民が見守る中、開かれました。注目されるのには理由があります。
■川崎町議会・政時喜久美 議員
「令和5年8月7日、武田良太政経セミナー会費として4万、令和5年9月2日、自由民主党政経セミナー会費として2万。計19万5000円が川崎町公金から町長交際費として支出されたとありますが、事実ですか。」
■川崎町・原口正弘 町長(63)
「事実でございます。」
問われたのは、原口正弘町長の交際費の使い道についてです。
川崎町は2019年以降、武田良太衆議院議員のパーティー券代や政党の行事の会費などに公費である町長の交際費から合わせて19万5000円を支出していました。
15日の議会では、特定の議員の政治資金パーティーなどに税金が原資である公費を支出することが適切なのか、議員から疑問の声が上がりました。
■政時議員
「政治的に中立であるべき行政が、特定の政党や政治家に対して、活動を支援するような形で公金を支出することがなぜ適切だと。公明党と自民党だけでなく、ほかにも政党がある。なぜ2つの政党だけにしたのか。」
■原口町長
「それ(自民党・公明党)を選んで行ったわけではありません。2つのところから私に対して案内状や招待状が来たから行っただけで、別に選んで行ったわけではありません。」
地方自治が専門の九州大学の田中孝男教授は「交際費の支出が町のためにどう役立つのか、特定の政治活動のみの応援になっていないかなどを説明し、大多数の住民から理解と納得を得るべきだ」と指摘します。
■町民
「町の代表としていっているから(公費を使っても)仕方がないかな。支出も全部、公にしているからその辺は納得できる。」
「僕も原口町長の後援会入っているからあまり言いたくはないけど、公費でパーティー券をしたらダメということでしょ。」
原口町長は「違法ではない」としたうえで、今後の対応について語りました。
■原口町長
「町民の理解を得るためには、適法とか適法じゃないとかじゃなく、私は今後は参加はしますが、公費の使用はやめておこうと思っております。」
また、吉富町でも町長交際費から特定の議員の政治資金パーティーの会費を支出していましたが、先週から、公費を支出しない運用に変更しました。
自治体トップの交際費を巡っては支出基準などを明文化している自治体もあり、専門家はその使い道についてより一層の透明性が求められると話しています。