“長浜屋台”復活から半年 初めての冬を迎える店主たちの奮闘 福岡市も後押し
福岡市は屋台の経済波及効果が年間100億円を超えたとの調査結果を発表、屋台は観光の目玉に成長しています。
そうしたなか、福岡市の長浜地区に屋台街が復活して半年がたち、新人店主たちは初めての冬を迎えています。
■店主と客
「きょうの出会いにプレーボール!」
乾杯は『プレーボール』、会計は『ゲームセット』と、野球がコンセプトの屋台『長浜市民球場』には、11月30日夜も元気な声が響いていました。
■東京から(40代)
「ここのお店に行きたかった。『プレイボール』をしたくてやってきた。」
福岡市中央区の長浜に屋台街が“復活”したのは、ことしの6月です。
それまでこの地区にあった屋台は1軒のみでしたが、市が経営者を公募し、新たに7軒が誕生しました。
明太子料理専門店や本格中華まで、バラエティー豊かな屋台が並び、新たなにぎわいを見せています。
都心の観光資源のひとつとなっている屋台について、福岡市は11月30日、年間の経済波及効果が104億円に上っていると発表しました。
前回、2011年の調査では53億円だったので約2倍です。
屋台の件数は150軒から105軒に減ったものの、1日あたりの利用者が増え、客単価も上がったことが要因としています。
■福岡市・高島市長
「スタートして半年の長浜屋台街も調子がいい。(屋台が)定着していけるように福岡市としても側面から支援をしていきたい。天神・長浜・中洲それぞれの屋台の魅力が輝き続けることを期待している。」
屋台をさらに盛り上げようと、福岡市も後押ししています。
12月1日、長浜に登場したのは、縦1.4メートル、横6メートルの巨大看板です。
■福岡市まつり振興課・濱田洋輔 課長
「夜は屋台があって場所がわかりやすいが、昼間は何もなくてさみしいので、長浜屋台が復活して半年、新しいシンボルとして目印がほしいなと設置した。」
長浜屋台街の復活から半年がたち、昨夜は5軒の屋台が営業していました。
■松原健介記者
「午後7時を過ぎました。手元の温度計は8℃を示しています。震えるほど寒いんですが、長浜の屋台はきょうも賑わっています。」
■福岡市から(20代)
「おいしいです。温まります。」
■福岡市から(40代)
「半年前にオープンして、活気があるよといろんな人から聞いて、行ってみたいなと。楽しかったので、今度は娘を連れてきたいなと。」
一方で、新人店主たちは初めて迎える冬の厳しさにも直面しています。
■屋台 どげん家・竹本一幸さん
「クリップで留めていたら風が強い日にバチバチと(シートが)全部外れて。これだったら絶対外れない。一回締め付けたら離さないみたいな。」
なかには経営が厳しいと感じている店主もいます。
■屋台 長浜市民球場・松清貴広さん
「スタートは良かったが、寒くなって入客が落ち着いたときに長浜の難しさ・ 厳しさを痛感している。」
天神や中洲のように繁華街にある屋台と比べ、集客にはまだまだ苦戦しているようです。
それでも長浜の店主たちは、同じ公募で合格した“同期”たちと力を合わせて、長浜を盛り上げたいとしています。
■松清さん
「暇なときはみんなで話し合いながら。1番から9番までいいメンバーがそろっているので。スタメンはいいメンバーなので。」
長浜屋台街復活から半年、厳しい冬を乗り越え、天神・中洲に並ぶ屋台街を目指して、店主たちの奮闘が続きます。