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【特集】大麻グミ 福岡で「駆け込みセール」も 12月2日から販売・使用禁止へ 

2023年11月30日 14:43
【特集】大麻グミ 福岡で「駆け込みセール」も 12月2日から販売・使用禁止へ 

食べた人が相次いで搬送された“#大麻グミ”。検出された成分「#HHCH」は指定薬物となり、まもなく販売・使用などが禁止されます。しかし取材を進めると、販売を続ける店や購入する若者もいました。福岡でもすでに、“大麻グミ”成分「HHCH」が蔓延していました。

食べた人が相次いで体調不良を訴えたいわゆる“大麻グミ”について、厚生労働省は11月、大麻グミに含まれる成分「HHCH」を指定薬物にしました。12月2日からは販売や使用などが禁止されます。

しかし、福岡でも身近な場所で売られていました。

■山木康聖ディレクター
「看板には今回指定薬物となった“HHCH”の文字が並んでいます。」

■HHCHを購入した人
「愛用している人間からしたら、きついところに押し込まれるみたいな。違法になったらやめます。」

SNS上で購入する人もいます。

■業者
(HHCHをほしいという客は?)
「100人以上はいると思います。」

大麻の成分によく似た化合物HHCH。福岡でもまん延している実態が見えてきました。

■川崎直人記者
「店内では現在、捜査員が店員から聞き取りを行っています。」

11月21日、福岡でも九州厚生局麻薬取締部などが店舗に立ち入り検査を実施しました。2店舗で延べ59の商品について鑑定のため提出を求めるとともに、販売停止命令を出しました。

HHCHは商品の植物片や液体に含まれていたとみられています。そもそもHHCHとはいったい、どんな成分なのでしょうか。

■湘南医療大学薬学部・舩田正彦教授
「例えば意識障害を起こすこと、さらに作用が強い場合には、吐き気を催します。THC(大麻に含まれる成分) と類似の作用を示すことが考えられています。」

大麻に含まれる成分の1つ、THC。幻覚などの精神作用があり、大麻取締法などで規制されています。このTHCに構造が近い化合物がTHCHです。

大麻の成分と似ていて規制の抜け道となっていましたが、8月、販売や使用などが禁止される指定薬物となりました。

そしてこのTHCHから構造をさらに変えたのが大麻グミの成分、HHCHです。

これまで規制の対象になっていませんでしたが、今回、指定薬物となり、12月2日から販売や使用などが禁止されます。

大麻グミの成分、HHCHが指定薬物となった翌日、福岡市のある店舗に向かいました。

■山木ディレクター
「看板には今回、指定薬物となったHHCHの文字が並んでいます。FBSというテレビ局なのですが、店長は…。」

店舗に取材を試みるもNGでした。ただ、店のSNSを見ると、店内にあるメニュー表や商品棚にもHHCHの文字があり、販売が続いていました。

実際にこの日、買いに来た人もいました。20代の男性2人組はグミではなく、熱して煙で吸引するためHHCHを含む液体を購入したといいます。

■HHCHを購入した人
(吸ってみてどうですか?)
「リラックスできるし息抜きにもなる。愛用している人間からしたら、きついところに押し込まれるみたいな。違法になったらやめます。」

この店は取材に対して、販売が禁止される12月2日までに在庫を処分すると話しました。

福岡県内の別の店舗では店頭の商品をセールで販売する動きもありました。

■山木ディレクター
「SNS上なのですが、福岡の業者の人でしょうか、リキッド2000円引きしますと書いています。添付の画像にはHHCHの文字が書かれています。」

福岡市内でSNSを使ってHHCHなどを販売する業者に接触しました。

■業者
(ほしいという客は多い?)
「100人以上はいると思います。20代くらいまでが多いのですが、普通のおじさんもいて、割と広いのかなと。」

この業者も、販売が禁止となる12月2日までに在庫を売り切るために、値下げしたといいます。

■業者
「HHCHの魅力は、大麻に似たような精神作用があるうえで逮捕のリスクがないところなので。使用している人は違うものを買うのはもちろんなのですが、ただ違法品に戻ってしまうという人も逆にいるのではないか。」
(今回の規制は?)
「あまり痛くはない。合法の中で商材を選んでいく。」

業者は、法をかいくぐる新たな商品を販売するといいいます。いたちごっこが続きます。

HHCHに代わる新たな成分の危険性について、専門家は次のように指摘します。

■舩田教授
「強力な作用を示すような化合物も存在する可能性がある。分からない効果を、摂取することで自ら試しているという非常に危険な状況であることは認識してもらいたい。」

#大麻グミ #大麻 #HHCH #THC #THCH