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【東海大福岡高校いじめ】第三者委「監督の無視が影響」→学校「不適切な指導は確認できず」母「納得できない」

2024年2月21日 18:55
【東海大福岡高校いじめ】第三者委「監督の無視が影響」→学校「不適切な指導は確認できず」母「納得できない」
FBS福岡放送

福岡県の私立高校に通う男子生徒がいじめなどを訴える遺書を残して自殺した問題です。学校が設置した第三者委員会は、いじめに加え、部の監督(当時の顧問)の不適切な指導が自殺に影響を与えたことを認めましたが、学校側は処分などを行わず、指導を続けさせていました。

自殺した生徒の母親が21日、会見を開き、みずからの思いを語りました。

■侑大(ゆうだい)さんの母親
「侑大は剣道が好きで、ただ剣道がしたかっただけだと思っています。侑大がされたことについては絶対許さない。侑大がいなくなったことについては、自分自身がごめんねって。俺大丈夫って言うのは大丈夫じゃないねって。」

息子を自殺で亡くした母親が語ったのは、憤りと深い悲しみです。

息子の侑大さんは東海大学付属福岡高校の2年生だった3年前、いじめなどを訴える遺書を残して自殺しました。

学校が設置した第三者委員会は20日、自殺の直接的な原因は特定できなかったとした上で、侑大さんが剣道部の上級生から受けたいじめが自殺の一因になったことを認定しました。

しかし、自殺に影響を与えたとされたのは、いじめだけではなかったのです。

問題とされたのが剣道部の監督(当時の顧問)による不適切な指導でした。侑大さんを無視し、大量の課題を出すなどしたことが自殺に影響を与えたと指摘しました。

しかし、学校側は第三者委員会が指摘した不適切な指導は確認できなかったとしました。

■東海大学付属福岡高校・津山憲司校長
「(監督には)そういうふうな意識は全くなかったというところです。誰がいつ、どういうふうにということがなければ、懲戒処分にという形では法人の方が打てないと私は思っています。」

口頭で注意しただけで懲戒処分はせず、侑大さんが亡くなったあとも指導を続けさせていることを明らかにしました。

■侑大さんの母親
「校長先生が言っていることがよく分からなかった。顧問(監督)についての発言は納得はできませんでした。こんな大きな事件が起こって本人がどういう気持ちで教員をしているのかなと。いじめた子たちも…。いじめじゃないと思っています。犯罪をした子も顧問(監督)や教員も私も含め、 同じように背負って生きていっていただきたいです。」

母親は調査の内容に納得できない部分があるとして、福岡県に対して学校側とは別に調査をするよう求めています。

会見を終えた母親は泣き崩れました。なぜ、息子は命を絶ったのか。深い悲しみと苦しみが消えることはありません。