【独自】手足と首をチェーンで縛られ暴行「死ぬかもしれない」両親が初めて語った被害生徒の苦しみ「夢に見たけん助けて」福岡
去年9月、福岡市の私立中学校のバスケットボール部で、男子生徒が上級生にチェーンで縛られ暴行を受けた事件です。男子生徒の両親が初めてカメラの前で取材に応じ、今も続く苦しみを語りました。
■男子生徒の母親
「事件があった日から止まったままですね。彼のバスケットに対するモチベーションも、多分生きていくモチベーションも、ずっと止まったままで。」
この事件は去年9月、福岡市の私立中学校のバスケットボール部で、1年の男子生徒が上級生から両手足や首を鉄製のチェーンで縛られ暴行を受けたものです。
上級生3人が暴行などの非行事実で家庭裁判所に送致されています。
男子生徒は事件のあと学校に通えなくなり、退学しました。
先週、両親は家庭裁判所で、上級生3人についての意見陳述を行いました。当初、男子生徒自身が訪れる予定でしたが、精神的な後遺症の影響が大きく、両親が代わりを務めたといいます。
両親は、男子生徒がチェーンによって呼吸できなくなり、死ぬかもしれないと恐怖を感じたことや、その後も「悪ふざけ」だったと言われ、謝罪すら受けていないことなどを伝え、適切な指導と処分を求めたといいます。
■男子生徒の父親
「人が怖い。夜寝れない。暗闇が怖い。殴られるかもしれない。心の中では(恐怖心を)持ち続けている。それを解消するのに、あと何年かかる…。」
■母親
「夢に見た加害者たちの顔を思い出しては苦しんで起きてきて、夢に見たけん助けてって言って起きてきて。本当に助けてやれないのがかわいそうでたまらないですね。」
両親は学校側に公平・中立な調査を求め、弁護士や精神科医など外部の有識者を入れた委員会の設置を求めていますが学校側は応じていません。
学校側は校長や教頭、教諭などで作る内部の委員会にスクールカウンセラー1人を加え、調査を行っているとしています。FBSの取材に対しては「男子生徒からの聞き取りはできていないが、調査はほぼ終了した。あとは家庭裁判所の判断を持って結果を県に報告する」とコメントしました。
当時、12歳だった少年は、終わりの見えない「いじめ」の後遺症に今も苦しんでいます。