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“謎のエリア”を間近で 吉野ヶ里遺跡でバックヤードツアー初開催 未公開の出土品施設も 佐賀

2023年11月7日 17:41
“謎のエリア”を間近で 吉野ヶ里遺跡でバックヤードツアー初開催 未公開の出土品施設も 佐賀
吉野ヶ里遺跡でバックヤードツアー初開催

“謎のエリア”の発掘で盛り上がりを見せた佐賀県の吉野ヶ里遺跡についてです。普段は公開されていない、発掘現場や出土品を収めた施設を見学できる『バックヤードツアー』が11月5日に初めて開かれました。

■佐賀県・文化財の調査員
「どうぞ、触って下さい。」

ツアーの参加者が触っている大きな石は、ただの石ではありません。

ことし6月、吉野ヶ里遺跡でそれまで手つかずだった“謎のエリア”と呼ばれる場所で見つかった新たな墓の発掘調査が行われました。

フタの表面には線刻と呼ばれる『×』のような線が刻まれていたほか、墓の内部に赤い顔料が塗られていたことが確認されました。

人骨や副葬品は見つからなかったものの、佐賀県は『弥生時代後期の有力者の墓』と結論づけました。

参加者が触っていたのは、考古学ファンが期待と想像を膨らませた、あのフタだったのです。

“謎のエリア”の発掘で全国的な関心を集めた吉野ヶ里遺跡は、ことし6月の入園者は1か月間で4万5000人を突破し、この月の入園者数としては過去最多を記録しました。

佐賀県は、この“令和のフィーバー”をきっかけに吉野ヶ里遺跡をより親しんでもらおうと、2001年の開園以来初めて、バックヤードツアーを行いました。

この日は佐賀県の内外から17人が参加し、“謎のエリア”の発掘現場を見学したあと、普段は公開されていない出土品の収蔵施設に入り、学芸員から説明を受けました。

■佐賀県・文化財の調査員
「(石フタの)こことここにキズがありますね。こことここがつながっていた。」

■長崎から(10)
「重いほうはどれぐらいの重さ?」
■文化財の調査員
「分からないんですけど、100キロ近く、こっちは200キロぐらいあるんじゃないかと。大人4人では持ちきれませんでした。」

さらに、遺跡から出土した土器を触ったり、普段はケースに入っている銅剣や銅鏡を間近で見たりと、ファンにはたまらない貴重な体験に、参加者は目を輝かせていました。

■長崎から(10)
「これが実際に昔の人が触っていたんだと感じて、不思議な感覚でした。」
■長崎から(40代)
「触れるとは思ってなかったので、思った以上に楽しめました。」

■横浜から(60代)
「木製品の細かい釘とか、説明聞かなないと分からないので楽しかったです。」

吉野ヶ里遺跡では、ことし9月から“謎のエリア”の発掘調査を再開していて、佐賀県は今後も、遺跡の魅力を発信していきたいとしています。