×

またいじめ『重大事態』も 校長が委員長の調査委員会は被害児童に聞き取りせず 福岡

2023年11月10日 15:56
またいじめ『重大事態』も 校長が委員長の調査委員会は被害児童に聞き取りせず 福岡
いじめ重大事態も被害児童に聞き取りせず

いじめへの対応をめぐる問題です。福岡県築上郡の小学校がことし4月に『重大事態』としたいじめへの対応の中で、調査委員会が被害児童に聞き取りをしないなど、国のガイドラインに沿わずに対応していたことがわかりました。

学校によりますと、ことし1月ごろから児童が、同級生から「死ね」と言われたうえ、暴力を振るわれるようになり、2月下旬に学校を休むようになりました。

学校は保護者からの要請を受けて4月下旬に、いじめの『重大事態』とみなしたということです。その後、校長を委員長とする調査委員会を設置し、いじめと認定し報告書を作成する際、文部科学省のガイドラインで示されている被害児童や保護者への調査をしなかったということです。

また調査委員の氏名について調査に支障があるとして公表せず、保護者からの「委員に法律に精通した人を入れてほしい」という要望を受け入れていませんでした。

■調査委員会の委員長・いじめがあった学校の校長
「ガイドラインについては、それを尊重するように考えていますけども、一部不十分なところがあったのは事実と思っております。」

校長は、調査委員会の設置前に聞き取っていた内容を元に報告書を作成したとしていて、今後、調査委員会として児童に聞き取りを実施するかどうかについては、未定だとしています。

いじめの重大事態が発生した場合どのように調査を行うべきか、文科省が次のようにガイドラインを示しています。

まず、大前提として『調査委員会は被害児童生徒・その保護者・他の児童・教職員などに対して、聞き取り調査などでいじめの事実関係を把握すること』としています。

今回、事前に学校として聞き取りを行ったことを理由に、調査委員会としては行っていませんでした。

また、ガイドラインでは調査を誰が行うのか構成員の氏名について、『特段の支障がない限り公表が望ましい』としていますが、調査委員会は関係者が委員に接触すれば調査に影響があるとして、公表していませんでした。

さらに、構成員について『被害児童生徒・保護者から要望があった場合は学校は調整を行うもの』としています。しかし、「法律関係者を入れてほしい」という保護者からの要望は、調査委員会に受け入れられませんでした。