シリーズ『こどものミライ』 小さな子どもでも楽しくピアノが弾ける!“魔法の楽譜”とは
いきいきとした表情で、子どもたちがピアノのレッスンに参加しています。手には、ウサギのイラストが描かれた指輪を付けています。
■6歳
「なんかウサギさんと一緒にいる気分。」
■5歳
「(Q. ピアノはどう?)たのしい!」
ピアノを始める多くの子どもにとって最初の壁となるのが、楽譜を読むことです。
福岡県須恵町にあるピアノ教室『須恵ミュージックサロン』は、まだ数字やひらがなが読めない小さな子どもでも楽しくピアノが弾ける、オリジナルのテキストを作りました。
■須恵ミュージックサロン 代表・高間 美奈湖さん
「かわいくウサギの絵を使って、すべての音符概念を取り払って、動物に置き換えて表しました。」
テキストを作ったのは、ピアノ指導歴30年の高間美奈湖さんです。
■高間さん
「以前は指の番号を、せめて5までの数字を覚えさせようとしたんですけど、なかなか興味づけができづらく。」
通常の楽譜は、五線譜に白黒の音符が並べられています。
高間先生が作ったテキストは、音やリズムがすべてかわいい動物のイラストで表現されています。
■レッスンの様子
「パーパーうさちゃん、ドドド。」
「マーマーうさちゃん、レレレ。」
テキストに描いてある動物のイラストと同じ動物がついた指を動かすことでピアノが弾けるという、まさに“魔法の楽譜”です。
この楽譜で練習すると、2歳の子どもも指をなめらかに動かす練習を楽しくすることができます。
この楽譜があったから、ピアノを始めたという井口順惺くん(5)です。
■井口順惺くん(5)
「(Q. どうだった?)にじゅうまる。」
■母・里奈さん
「当然低年齢なので楽譜が読めないですし、あれだった(難しいと思った)んですけど、ウサギさんのおかげで弾けていた様子を見て、ここなら大丈夫かもって私も思えて、ピアノのハードルが下がった。」
【弾きたいという気持ちをかなえたい】
ピアノを始めて約1年、レッスンも毎回楽しく通っています。今では、指がなめらかに動くようになり、リズム感も身についてきました。
■母・里奈さん
「まずは今のこの『楽しい』『頑張りたい』の気持ちを忘れずに、自分の自信になってくれたらいいなと思います。」
■順惺くん
「(Q. 将来の夢はありますか?)ピアノがうまくなる!」
子どもの“弾きたい”という気持ちをかなえたいと、高間さんはテキストを作りました。そこには、ピアノを弾けるようになって自信をつけてほしいという思いがありました。
■高間さん
「何かしら目的に向かってやっていき、それを達成したっていうところが、子どものなかではとても達成感と自己肯定感、これだけのことをやり遂げた、逃げ出さずにやり遂げたのは大きいと思います。それが楽しいから始まるといいなと思って。」
成功体験が子どもの自己肯定感につながるというピアノが楽しくなるための工夫、それが“魔法の楽譜”には詰まっています。