九産大芸術学部の卒業制作展で“ガチャリティ” ぐい飲み・キーホルダー・ハンカチをカプセルトイに 売り上げは能登半島地震の義援金に 福岡
福岡市の九州産業大学芸術学部で卒業制作展が始まりました。4年間の集大成となる作品の数々を、ことしは販売もして能登半島地震の被災地に義援金を送る計画です。
福岡市東区の九州産業大学では、16日に芸術学部の卒業制作展が始まりました。
絵画やオブジェなど、学生たちが1年かけて準備した約1000点の作品が展示されています。
■吉村史織アナウンサー
「休憩スペースの部屋の中におもしろそうなものがあります。おもちゃ売り場などにあるカプセルトイです。中を見てみると、ちゃんと商品が入っています。」
500円を入れます。
■吉村アナウンサー
「ロープで編んだキーホルダーです。星形になっています。」
企画したのは芸術学部の10人ほどの学生たちです。
その前の週に春休みの大学を訪れると、カプセルに商品を入れる作業をしていました。
■プロジェクトリーダー・有馬優さん
「いまこちらはハンカチを入れている。こちらはパラコードというひもを使った『スターノットキーホルダー』を入れています。」
カプセルにはメンバーそれぞれが学んできたものを生かした3種類の作品が入っています。
陶芸を学ぶ学生はぐい飲み、ファッションを学ぶ学生はロープ編みのキーホルダー、染め物を学ぶ学生は絞り染めのハンカチです。
売り上げは全額、能登半島地震の義援金として寄付します。
■有馬さん
「最初はステッカーや缶バッジを考えていたが、芸術学部の強みを掛け合わせて、今回のハンドメイド景品を制作した。」
■ぐい飲みを制作・岩隈可純さん
「(石川県の)夜空の写真を参考にして作った。工芸の街に工芸で協力できることがうれしい。」
カプセルトイを使ったチャリティ活動の取り組みは、芸術学部の伊藤敬生教授が2011年の東日本大震災をきっかけに始めました。
■芸術学部・伊藤敬生教授
「持続可能なチャリティーをやるためには、あまりシリアスになりすぎてもいけない。多くの人たちが長く少額でもずっと続けてチャリティーをしてもらうことが大事。」
大学生が取り組むことで、幅広い世代に支援を呼びかけられるのではという思いもあります。
■キーホルダーを制作・仲本結花さん
「大学生が動くことにより、私たち世代の人にこんなことをしていると伝えることができる。遠くだけど応援している、協力していると伝わればいいなと思う。」
そして、卒業制作展が始まった16日には、初日ならではのちょっとしたハプニングもありました。
■伊藤教授
「出てきた?どこから?ここから?」
カプセルの入れすぎで、お金を入れるとすぐに出てきてしまいました。
それでも機械を直すとすぐに最初のお客さんが来ました。
■購入者
「『スターノットキーホルダー』と書いてある。いい作品だと思う。実際にすぐ使えそうなものだし。これがまた(義援金として)役に立つならいい取り組みだと思う。」
■購入者
「おちょこだ!」
■学生
「私が作りました。ありがとうございます。」
■有馬さん
「こういった企画を進めていく中で、震災から1か月たっても、ニュースで見た時に『あ!』と思うアンテナというか、ひと事と思わなないことが一番大切だと思う。被災地のことを想っている人はたくさんいる。石川の人にも知ってもらえたら。」
芸術学部の卒業制作展は2月23日まで、カプセルトイは100個限定販売です。