【クイーンビートルの浸水隠し】JR九州高速船に「輸送の安全確保命令」の行政処分 「解任命令」は全国初 親会社のJR九州社長「ゼロからスタートしたい」
JR九州高速船が、博多と韓国・釜山を結ぶ「クイーンビートル」の浸水を隠ぺいし、運航を続けていた問題です。国土交通省は17日午後、JR九州高速船に対し、海上運送法に基づく行政処分を行いました。
17日午後4時ごろ、国土交通省の宮武宜史海事局長はJR九州のグループ会社・JR九州高速船の大羽健司社長に対し、行政処分の命令書を手渡しました。
JR九州高速船は、ことし2月に「クイーンビートル」の船首部分への浸水を把握しながら、その後もおよそ4か月間、運航を続けていました。浸水センサーの位置をずらすなど隠ぺい工作も行っていて、国土交通省による抜き打ち監査で発覚しました。
国土交通省によりますと、JR九州高速船に対して行われた行政処分は、海上運送法に基づく「輸送の安全確保命令」で、ことし10月末までに改善措置を報告するよう求めています。
また「安全統括管理者・運航管理者の解任命令」も出されていて、解任命令が出されるのは全国で初めてです。
JR九州高速船の親会社、JR九州の古宮洋二社長は行政処分について次のように述べました。
■JR九州・古宮洋二社長
「安全統括管理者の解任命令は初めてだと言われまして、これは非常に大変なこと、大きなことだと再確認しました。もう一度、ゼロからスタートしたいと思った次第でございます。」
この問題をめぐってJR九州は、第三者委員会による原因究明を始めたほか、安全体制の見直しなどが進むまでクイーンビートルの運航を再開しない考えを示しています。