×

バスケ部“チェーン暴行”を再現 被害生徒の両親が訴え「どれだけ怖かったか」 福岡

2023年11月6日 17:20
バスケ部“チェーン暴行”を再現 被害生徒の両親が訴え「どれだけ怖かったか」 福岡
“チェーン暴行”被害生徒の両親が訴え

福岡市の私立中学校のバスケットボール部で、1年生の男子生徒が上級生にチェーンで縛られ暴行された事件についてです。被害を受けた生徒の両親は、学校側の対応に不信感を募らせています。

この事件はことし9月、福岡市の私立中学校でバスケットボール部に所属する1年生の男子生徒が、上級生3人に鉄のチェーンで首や手足を縛られ暴行を受けたとされるものです。

被害届を受けて捜査をしていた警察は11月2日、上級生3人のうち2年生の男子生徒を逮捕・監禁の疑いで、3年生の男子生徒を暴行の疑いで書類送検しました。もう1人については、14歳未満ということで児童相談所に書類を送っています。

FBSの取材に応じた男子生徒の両親は「どれだけ怖かったかと思うと涙が止まらなくなりました」と話しました。

両親の話を元に、男子生徒が置かれた状況を再現しました。

暴行のきっかけは、別の部員がついた「男子生徒が練習をさぼった」というウソでした。

暴行に使われたチェーンは国旗掲揚のために体育館に保管されていたもので、長さ2メートル60センチ、太さ1.5センチ、1本の重さが400グラムありました。上級生らはこのチェーンを3本使って手足や首を縛ったということです。

■山本竜誠 記者
「もう本当身動きが取れないほど。ほどきたくて動くと、どんどん締まっていく感じがして、実際足と首が繋がってる状態。立って逃げようと思ってもまず立てない。動くと首のほうが閉まって息がしづらいような状況になっていく。時間が経つにつれてきつくなってくる感じはします。」

上級生はその後、電気を消し、スマートフォンの明かりで男子生徒を照らしながら顔を平手打ちをしたといいます。

■山本記者
「ただでさえ息苦しい中で、この状況っていうのは恐怖心が募るばかり。手元は結構ずっしり。少し動くだけでもだんだん縛られてられていくような感覚があって、その恐怖心もあるのに加えて、この暗さになるっていうのも何をされるかわからないという、恐怖心がさらに増す印象。」

警察によりますと、男子生徒はチェーンを巻かれた状態で約20分間にわたって暴行を受けたということです。

■山本記者
「男子生徒が縛られていた20分間、同じ時間を今経験したんですけども、このように縛られた跡がくっきりと残っています。」

男子生徒の両手足や肩にはあざが残り、平手打ちされた顔は全治2週間の打撲と診断されました。

バスケ部の監督は、男子生徒がチェーンで縛られて暴行を受けたことを知った翌日の朝、男子生徒に電話をかけ、「これくらいのことで来なかったら男じゃない!来年ユニホームないぞ」と口にしたといいます。(両親によると)

上級生3人は出校停止となりましたが、11月から再び登校しているということです。

一方で男子生徒は不登校になり、その後、退学を余儀なくされました。

また、学校側はバスケ部を活動停止にしましたが、10月に監督を解任し、活動を再開させました。

男子生徒の両親は、こうした学校側の対応に不信感を募らせ「学校は一切何もしてくれませんでした」「学校も加害者も一人も謝罪に来ていません。せめてちゃんと謝ってほしい」と話します。

学校側は6日、FBSの取材に対し「事件後、保護者が学校に来た際に校長から謝罪をした」と説明しました。

ただ両親は、その時の謝罪について「学校に非がないような話しぶりだった」と話しています。両親は、学校と元監督、上級生に対して正式な謝罪を求めています。