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流産や死産への理解を 福岡市で赤ちゃんを亡くした家族のメッセージ展

2023年10月11日 17:35
流産や死産への理解を 福岡市で赤ちゃんを亡くした家族のメッセージ展
赤ちゃんを亡くした家族のメッセージ展

毎年10月9日から15日は、流産や死産などで赤ちゃんを亡くした家族に思いを寄せる国際的な啓発週間です。11日から福岡市では、赤ちゃんを亡くした家族のメッセージを展示するイベントが行われています。

■財津ひろみアナウンサー
「こちらには、赤ちゃんがお空にいった家族からのメッセージがたくさん展示されています。どれも優しいことばにあふれています。」

福岡市南区の『アミカス』では、流産や死産、新生児死を経験した家族のメッセージなどを展示するイベントが10月11日から15日まで行われています。

会場には、赤ちゃんへの手紙や写真、手作りの産着やベビーシューズなどが並んでいます。

主催者の一人、福岡県大木町の魚川千鶴さん(40)は4年前、第4子の千菜望ちゃんを妊娠38週で出産しましたが、ほとんど心拍がありませんでした。

■魚川千鶴さん(40)
「最初はしばらく数時間そばにいたので、かわいい(気持ち)ばっかりだった。あれ動かないね、なんで泣かないの、でもほっぺも柔らかいし。1人の時間があって、そしたらだんだん、頭の中がパニック。混乱してきて、ずっと涙が止まらない感じ。」

妊娠12週以降に胎児が亡くなる死産は、全国で約1万5000人にのぼります。また、妊娠した人の15%が流産になるとされています。

魚川さんは、娘の死産の後、自分の気持ちを出せなくなったといいます。

■魚川さん
「聞いてもらえる場所がない。聞いてもらっても気を遣わせるかもしれない。あまりこんな思いを言ってもっていう自分の中で壁ができたり。話せない環境が一番つらくて。」

そんな状況を変えようと魚川さんは、2020年に流産・死産を経験した人たち同士で集まれる自助グループを立ち上げました。2・3か月に1度お話し会を開催し、それぞれの思いを吐き出せる場をつくっています。

魚川さん達の活動を支える産前産後サポーターの南部久美子さんは、行政が、専用の相談窓口や地域の自助グループを紹介するなど、流産や死産を経験した人に向けての情報を発信することが大事だと訴えます。

■産前産後サポーター・南部久美子さん
「まずは知っていただくこと。点在している声をつなげ行政につなげることで、悲しみ直後に必要な情報が届けられるように動いていってもらいたい。」


実は、働く女性が妊娠4か月以降に流産・死産した場合、産後休業の対象になり事業主は、原則、産後8週間は働かせてはいけないとされています。

しかし、企業側がこの制度を知らない場合もあり「まだ周知が行き届いていない」と南部さんは話します。南部さんたちの活動がきっかけで福岡県は、9月から流産・死産で悩んでいる方への相談窓口や自助グループの紹介をホームページに掲載しています。

詳しくは、『福岡県 流産 死産』で検索してください。