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はしかの感染が国内で相次ぐ ワクチン接種した回数は「世代別」で異なる 供給に不安も 福岡

2024年4月3日 18:26
はしかの感染が国内で相次ぐ ワクチン接種した回数は「世代別」で異なる 供給に不安も 福岡
2回接種していればリスク減

発症すれば39度以上の高熱や発疹が出る「はしか」の感染が、ことしに入り国内で相次いで確認されています。福岡県では2021年を最後に感染者は出ていませんが、ワクチン接種を希望する人が増え、供給に不安も出ています。

3日、福岡市西区のクリニックを訪ねました。

■井上さとし内科・井上聡院長
「体調は良いですよね?」

女性が受けていたのは、はしかや風しんを予防する「MRワクチン」の接種です。

■訪れた人
「高齢の父と同居していますので、自分がかかってしまうと家族にうつったら大変だし、世間でこれだけ騒がれているので抗体を調べてもらったらすごく少なくて、打った方が良いんじゃないかという話だったので打ちにきました。」

このクリニックにはことしに入って、はしかのワクチン接種に関する問い合わせが毎日2・3件寄せられています。

はしかの特徴は、強い感染力です。飛まつ感染、接触感染のほか空気感染もするため、厚生労働省によりますと、免疫のない人が感染した場合、ほぼ100%の確率で発症するといいます。

発症すると、せきや鼻水など風邪のような症状が出たあと、39度を超える高熱や発疹が出て、肺炎や中耳炎を起こすこともあります。

福岡県内では2021年を最後にはしかの感染者は出ていませんが、国立感染症研究所によりますと、国内ではことしすでに21件の感染が確認されています。

いったいなぜなのでしょうか。

■福岡市医師会・中山英樹 常任理事
「日本は土着のウイルスはない。海外からの輸入症例が発端となる例がほとんどです。」

福岡市医師会は、新型コロナの影響で続いていた水際対策が緩和され、国外への人の行き来が活発になったことが要因の一つと説明しました。

感染しないために有効なのが、ワクチン接種です。過去に2回の接種をしていれば、感染リスクが大幅に減りますが、接種回数は年代によって異なっています。

厚生労働省によりますと、2000年4月2日以降に生まれた人は2回、接種を受けている可能性がありますが、それ以前に生まれた人は1回、もしくは打っていない可能性もあるといいます。

「ワクチン増産はすぐにはできないので接種の前に抗体検査を」

はしかの感染者が相次いで確認されたことで、ワクチン接種を希望する人は増えていますが、供給不足のおそれも出ています。

■井上院長
「(ワクチンが)必要な人が出たらすぐにオーダーする。オーダーしてちょっと待っていただくという形なので、抗体をチェックして抗体が少ない人にワクチンを打つ。供給量はある一定の数で毎年やっていたのですが、大人の需要が増えてきた。」

福岡市医師会はワクチンの増産はすぐにはできないため、接種の前に抗体検査を受けてほしいと呼びかけています。

それでは改めて、はしかワクチン接種の回数を「世代別」に確認します。

厚労省によりますと、定期接種を受ける機会は1972年9月30日までに生まれた人は0回でした。それ以降から2000年4月1日までに生まれた人は1回、そして2000年4月2日以降に生まれた人は2回となっています。

福岡市医師会は、それぞれ接種履歴を確認したうえで、まずは抗体検査を受けてほしいとしています。