『2024年問題』ドライバー不足の解決目指し 九州初のバス・タクシー・トラック合同説明会
いわゆる『2024年問題』で、物流・運送業界ではドライバー不足への不安が高まっています。人材を確保しようと、佐賀市では17日、バス・タクシー・トラックの合同企業説明会が九州で初めて開かれました。
■阿部まみキャスター
「こちらには、タクシーやトラック会社の採用担当者が集まり、会社の説明を行っています。皆さん一人でも多くの人に、この業界の魅力を伝えるため熱心に話をしています。」
17日、佐賀市で開かれたバス・タクシー・トラック3つの業種の合同企業説明会には、佐賀県を拠点とする交通業者や運送業者など22社が参加しました。
服装自由・予約不要・資格制限なしで参加できるこの企業説明会は、一人でも多くの人材を確保することが狙いです。
■参加者
「佐賀は住んでいるのは長いのですが、町名とかは分からないんですよ。そういうのはやっぱり自分で覚えるしかないのですか?」
■企業側
「地理の勉強も10日間くらいきっちりやっていただきますし、あとはナビが付いているので。」
トラックに興味がある若者の姿もありました。
■参加者
「基本は、1人で行って帰ってくるんですか?」
■企業側
「そうですね。」
■参加者
「なんか、トラックの後ろに寝るところが?」
■企業側
「そうですね、後ろにスペースがあります。」
交通業や運送業は、いま『2024年問題』に直面しています。
来年4月1日から運転手の長時間労働が規制され、労働環境の改善が期待される一方、懸念されているのがドライバー不足です。
17日の説明会は、この課題解決を目指したものです。
■阿部まみキャスター
「説明会開始から1時間15分が経ちました、中には人がおらず空いているブースも目立ちます。」
■参加企業『三井運輸』・江頭武志 社長
「できれば2人くらいはほしいなとは思いますが、ちょっと難しいかな。(Q. 難しいというのは?)ちょっとやっぱり参加者が少ない感じがありますね。」
■九州運輸局 佐賀運輸支局・牟田 嘉伊座さん
「県民の人の交通運輸のサービスの維持のためには、運転者の確保っていうのは絶対に必要だと思っていますので、これからもこの対策には取り組んでいきたいと思っているところです。」
ただ、状況は待ったなしです。
佐賀市にある創業90年の『佐賀タクシー』では、ほこりが目立つフロントガラスに『減車』と書かれた紙が置かれていました。
本社と営業所合わせて77台のタクシーを保有していますが、稼働率は6割程度です。
■佐賀タクシー・牛島英人 社長
「ドライバーがですね、“コロナ”の前と比べるとかなり減ってしまって、動かす人がいなくなった。おおまかに言うと3割くらい減っていると言っていいかと思います。」
ドライバーの賃金はタクシーの稼働率に応じて変わりますが、『佐賀タクシー』では月々13万円~35万円ほどだといいます。
一方で、ドライバーの平均年齢は63歳と高く、高齢化は避けられない課題です。
■牛島社長
「この仕事での待遇・給与といった部分、トータルで見た時に若い人の選択肢から外れているということだろうというふうに思います。」
若いなり手不足に危機感を募らせる物流・運送業界は、働きやすい仕組み作りなど、さらなる対策が急務となっています。
物流・運送業界で深刻な人手不足が懸念されている『2024年問題』についてです。
国の検討会によると、何も対策を行わなかった場合、営業用トラックの輸送能力が2024年には、14.2%不足し、さらに2030年には、34.1%不足すると試算しています。
私たち消費者が対策として取り組めることは、まず『再配達を減らすこと』です。確実に受け取れる日時や場所を指定することや、宅配ボックスや置き配の利用で再配達を減らすことができます。
そして、配送が必要な商品は『まとめ買い』することで、配送回数の削減につながります。