【天栄村の自然が生み出した恵み】コメに醤油に豆腐…そして日本酒も おいしさを支える「水」
実は、天栄村には、浄水場がなく、村の各地から湧き出てくる水を最低限の処理をほどこして、水道水として使っています。
この天栄村の水は、村の生活、そして産業を支えています。
自然、豊かな天栄村。
その恵みである水は、村の生活に、欠かせないものです。
村には、水道水となる水源が全部で10か所あります。
村役場から車で走ること約30分、やってきたのは、水源にほど近い場所です。
水源そのものは、ここからさらに山を登らないとたどり着くことができず、一般的には行けない場所だと言います。
ただ、ここを流れる川の水は、その水源からあふれたものということで、水源の水にちかいものなんだそうです。
今の時期は、雪解け水も、混じっていて、触ると、とても冷たいです。
水は軟水の部類に入り、自然の力でろ過され、高い透明度を誇ります。
天栄村の水道水は、この自然のままの状態を大切にしながら、供給されているんです。
天栄村 建設課 管理係 小川慎一朗 係長は、「必要最低限の塩素の消毒をしているので、特に浄水場がなくても、おいしいお水が飲めることができます」と話します。
蛇口をひねれば、自然が作り出したおいしい水が楽しめます。
この村自慢の水は、特産品のおいしさにもつながっています。
コメはもちろん、昔ながらの製法で仕込む醤油、さらには、豆腐まで、天栄村が誇る特産品は、この水があってこそ、なせる技なのです。
そして、忘れてはならない、この場所も、うまさの鍵は、「水」にあると言います。
日本酒「廣戸川」を作る松崎酒造です。
酒造りでは、地下からくみ上げた水を仕込み水などに使っています。
松崎酒造株式会社 専務取締役 杜氏 松崎祐行さんは「やはり天栄の水は非常にクリアで、飲んでいても飲みやすいですし、一年を通して豊富な水を供給してもらえているんだなということを感じますね。」と話します。
日本酒の味や品質などを競う全国新酒鑑評会では、金賞の常連となっている「松崎酒造」。
その酒造りには定評があり、2023年、各国の首脳が集まった、G7広島サミットの夕食会でも、提供されました。
世界的にも知られる存在となった日本酒「廣戸川」。
そのうまさを支えているのが、天栄村の自然が生み出した水です。
松崎酒造株式会社 専務取締役 杜氏 松崎祐行さんは、「酒の成分の8割は、水なので、特にうちの水は養分が豊富なので、それが非常にお酒の味にも、生かされていて、まろやかさだったり、天栄の水の良さが出ているのかなと、思います。」と話します。
コメに醤油に豆腐…そして日本酒までと、天栄村が生み出す数々の産品は、水という、豊かな恵みの賜物でした。