“闇バイト”の危険性が学べるゲーム『レイの失踪』 現役の慶応大学生が開発「最新の解決策を学べるようなプログラムに」
高額な報酬と引き換えに犯罪に加担してしまう“闇バイト”の危険性を学べるゲーム『レイの失踪』。開発者に取材し、news every.刈川くるみキャスターが実際にゲームを体験しました。
今、若い世代が“闇バイト”の標的になっています。警察庁によると、闇バイトに応募した人を警察が保護した事例を見てみると約7割を10代、20代が占めています。若者を守るため、手口や対策を学べる教材として誕生したのが『レイの失踪』です。既に全国の教育機関や自治体で授業として導入されています。
■ゲームを手がけたのは現役の慶応大学生
ゲームは、突然失踪してしまった中学生・レイを捜すため、様々な手がかりをもとに真相を解明していく謎解き物語です。ゲーム上のSNSを使い、失踪したレイの投稿や、他のユーザーとのやりとりを見ていく中で、闇バイトの実態が浮かび上がります。
手がけたのは情報リテラシーなどの教育プログラムを作成する現役の慶応大学生集団『Classroom Adventure』。副代表の今井善太郎さんは、「なんで引っかかってしまうのか、万が一関わってしまった時どうすればいいのか。実践的に学べるようにしたい」と話しました。
■刈川キャスターが実際にゲームを体験
まずは、行方不明となったレイのSNSにログインし、失踪の手がかりを探します。すると、レイのSNSから「最近ちょっとガチャ回しすぎてるかも」という気になる投稿が見つかりました。ゲームアプリにのめり込み、レイはお金に困っていることが分かります。
この「お金に困っている」という何気ない投稿から、レイが闇バイトのターゲットに。本人確認を求められたレイは学生証の写真や、家の住所なども送ってしまっています。その後、仕事内容を見たレイは恐怖心から「やっぱり怖い」と断りますが、相手からの連絡は止まらず。レイが連絡を絶つと、「いい度胸してんな。お前まじで気づいてないと思うけどお前の近くにいるからな」という音声メッセージが送られてきていました。
謎を解いて見つけた闇バイトの首謀者を通報することでクリアとなるこのゲーム。ゲーム内の手口ややりとりは、実際に事件に加担してしまった人たちの体験を参考に作られていて、『何に』だまされてしまうのか、『なぜ』抜け出せないのか、過程を追体験することができます。
■高校生たちも授業でゲームを体験
ゲームを体験した高校生たちは、「身近な危険性を感じた」、「現実味あって怖かった」、「自分の情報とかの取り扱いは、送る相手がどうするか分からないので気をつけていかないと」と話しました。
今井さんは、「闇バイトは日に日に手口が新しくなっていく。僕らとしては最新の手口をどんどん取り入れていって、最新の解決策を学べるようなプログラムにしたい」と思いを明かしました。
(1月21日放送『news every.』より)