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『FFⅦ リバース』に『ポケポケ』 ゲームサイト編集長に聞く“2024年話題作の特徴”は

2024年12月31日 22:10
『FFⅦ リバース』に『ポケポケ』 ゲームサイト編集長に聞く“2024年話題作の特徴”は
ゲーム情報総合サイト編集長に聞く “2024年話題作の特徴”
『ファイナルファンタジーⅦ リバース』や『アストロボット』といった家庭用ゲームソフトや、『Pokémon Trading Card Game Pocket(ポケポケ)』、『ゼンレスゾーンゼロ』といったモバイルゲームなど、多くの話題作がリリースされた2024年のゲーム業界。今年の話題作や、その傾向・特徴をゲーム情報総合サイト『ファミ通.com』編集長の三代川 正さんに聞きました。

■「プレイステーションの歴史が体感できるような」作品 『アストロボット』

2024年の話題作として、まず三代川さんが挙げたのは、プレイステーション5向けに発売されたゲームソフト『アストロボット』と『黒神話:悟空』(17歳以上対象)です。それぞれ、12月にアメリカで行われた『The Game Awards 2024』でゲーム・オブ・ザ・イヤーにノミネートされ、『アストロボット』が4冠に輝くなど話題となりました。

三代川:『アストロボット』は、世界中のメディア・ユーザーから高評価を受けた3Dアクションになっています。今回は(ゲーム内で)仲間を助けていくんですけど、その仲間の中にペルソナシリーズのキャラクターだったり、バイオハザードのキャラクターだったりとか、プレイステーションのオールスターのようなキャラクターをかたどった仲間がいて、彼らを助けていく。(歴代のキャラクターが)ゲスト出演みたいな感じのゲームになっている。プレイステーションの歴史が体感できるようなゲームになっています。

『黒神話:悟空』は、中国のゲーム会社・ゲームサイエンスが開発した西遊記がベースのアクションゲームです。アクション面の評価も高いんですけど、グラフィックがとにかくクオリティーが高くて、主人公の毛の表現だったりとか、グラフィックの描画も特に評判が高いです。すごく開発費や期間をかけた大作のゲームとしては、中国として初めてと言われていまして。今回、ゲームサイエンスが出てきたことによって、買い切り型の(ゲームソフト)でも中国の影響力が大きくなってくるんじゃないかとは予想されています。

多くのゲームソフトがリリースされた2024年。三代川さんは、2023年と同じく“ゲームソフトの収穫期”が続き、中でも“ある特徴”があった年だったといいます。

三代川:ゲーム機がある程度普及をして、各ゲームメーカーがゲーム機が発売された後に仕込んでいたものが3年4年、もしくは5年6年とたって花開いて売り出される状況になったので、まだ収穫期は続いていて、おそらくそれは来年くらいまで続くんじゃないかなとは思っています。今年はそういった収穫期の中でも、特に大型RPGのリメイクが目立った年でした。

三代川:今年後半ですけど、一番話題になったなと思うのはHD-2D版『ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ・・・』(12歳以上対象)ですね。元々は、1988年にファミコンで発売された『ドラゴンクエストⅢ』というものがあって、ドラゴンクエストシリーズの中でも特に人気が高い“ロト3部作”というものの一つになっています。

ドット絵のドラクエらしさも残しつつ背景を3Dで作ったり、今でも遊べるものとしてフルオーケストラの音楽だったり、ボイスを入れたり。現代の遊びやすさも加えたリニューアルになっています。あまりゲームをしない人の中でもドラクエはやるっていう、お祭り的に楽しむ方々もいらっしゃる。そういった休眠層、復帰層も取り入れましたし、親子2世代で楽しむ方だったり、ゲーム実況で古いゲームでしか遊んだことがない、見たことがないという方も今は遊べるというところで、そういったユーザーも取り込んでいるんじゃないかと思います。

三代川:(他にも)リメイクという意味では、『ファイナルファンタジーⅦ リバース』(15歳以上対象)がありました。『ファイナルファンタジーⅦ』は、1997年にプレイステーションで発売されたもので、今、全3部作のリメイクプロジェクトが動いていて、今回のリバースは2作目になります。

ものすごいグラフィッククオリティーの、いわゆるフォトリアルというか。かなりリアル寄りで、でもキャラクターらしい演出も加わっているというものなんですけど、今回のお話の中では“忘らるる都”というところまでが描かれる。原作の『ファイナルファンタジーⅦ』ですごく大きな運命を迎える、物語のクライマックスといえるような場面なんですけど、その場面が今回のリメイクで若干シナリオが変わるというものがあるので、“あの運命はどうなるのか”というところが話題になって、それを迎えたユーザーさんがさらに3部作目が楽しみになる、そういうリメイクになっていました。

家庭用ゲーム機のソフト以外にも、2024年は様々なモバイルゲームがリリースされました。その中でも話題作として、三代川さんは3つの作品を挙げました。

三代川:モバイルゲームで話題になったのは、『Pokémon Trading Card Game Pocket』というものがあります。いわゆるポケモンカードゲーム、リアルでカードを使って遊ぶポケモンカードのデジタル版。これはバトルも楽しめるんですけど、驚くほどシンプルにカードコレクションに振り切ったゲームになっているんですね。演出も抑えめでテンポも良く楽しめて、友人の引いたカードの中から抽選で(カードを)引いたりとか、カードをより集めやすい環境を作っているゲームになります。

昨今のモバイルゲームは非常にクオリティーが上がっていて、家庭用ゲーム機と遜色のないゲームが増えているんですけど、そうするとスマホに求めるスペックも上がってしまうんですよね。最新の機種じゃないと遊べません、とか。『ポケポケ』の場合は、容量やスペックのハードルが低くなっているので、かなり多くのユーザーを取り込んでいるということがあります。
三代川:あとは『学園アイドルマスター』というものもあります。『アイドルマスター』シリーズの最新作で、今回はアイドルプロデュースに原点回帰したゲーム、選んだアイドルの成長物語をかなり重視した作りになっています。

キャラクターのかわいらしさやライブシーンの演出のすごさもあるんですけど、今回キャラクターの育成部分が繰り返し遊びたくなるようなテンポの良さがある上に、例えば真面目なキャラクターやコツコツ頑張るキャラクターの場合は、コツコツと積み重ねるように成長し、大器晩成型のちょっとムラのあるようなキャラクターだったりすると、一か八か一気に成長するかしないかというシステムになっていたり。ストーリー、キャラクターとシステムが連動した作りになっていて、そういったところもあってかなり評判になっているひとつですね。

三代川:最後は『ゼンレスゾーンゼロ』というゲーム。『原神』、『崩壊:スターレイル』を作っているHoYoverseのアクションRPGなんですけど、アニメ調のグラフィックで描かれるキャラクターがすごくクオリティーが高くて、Z世代を中心に非常に人気を獲得しているゲームでもあります。

今までの(ゲームの)世界観とちょっと違う、現実の地続きなんだけど未来っぽい世界観ということもあって、かなり前評判の高いゲームでした。実際遊んでみると、簡単な操作で爽快なアクションが楽しめるものになっている上に、とにかくカット割りだったりカメラワークがかっこいい。ストーリーシーンは、アメコミだったりコミック調の演出が加わっていたり、アニメとかマンガを読んでいるかのように遊べるものになっているのですごく遊びやすい、多くのユーザーを取り込みやすい作りになっているなと感じました。



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最終更新日:2024年12月31日 22:10