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2月4日は世界対がんデー「誰ひとり取り残さないがん対策の推進」がん患者の声は届いている?治療費の負担増で治療は… 自らがんを経験したディレクターが解説

2025年2月4日 21:01
2月4日は世界対がんデー「誰ひとり取り残さないがん対策の推進」がん患者の声は届いている?治療費の負担増で治療は… 自らがんを経験したディレクターが解説

世界対がんデー=ワールドキャンサーデー

2月4日は世界対がんデー=ワールドキャンサーデーです。

ひとりひとりが、がんに関する意識を高め、知識を増やし、がんに対する行動を起こす事を目指し、世界が一つになって各地でさまざまな取り組みを行っています。

取材を担当した小口浩美ディレクター。10年前にがんと診断され手術や抗がん剤などさまざまな治療を経験。これがきっかけとなり、がん患者や家族など様々な立場の人が集える任意団体「おむすび」を設立し番組取材をしながら県の「がん教育」外部講師も務めています。

国は「誰ひとり取り残さないがん対策を推進して~全ての国民とがんの克服を目指しています。

小口浩美ディレクターです。まず「誰ひとり取り残さないがん対策を推進して」これは国の目標?

小口浩美ディレクター
2023年に閣議決定された第4期がん対策推進基本計画の全体目標です。「がん対策基本法」に基づいて策定しています。

この法成立を牽引をしたのは自身もがん患者と告白し議場に立った山本孝史議員。2006年5月、余命半年の宣告を 受けた当時の国会での映像です。

2006年5月22日参議院本会議

山本孝史議員
「私があえて自らがん患者だと申し上げましたのもがん対策基本法の与党案と民主党案を一本化し、今国会で成立させる ことが日本の本格的ながん対策 の第一歩となると確信するから です。がん患者はがんの進行や再発の 不安 先のことが考えられない つらさなどと向き合いながら身体的苦痛や経済的負担に苦し みながらも新たな治療法の開発 に期待を寄せつつ一日一日を大 切に生きています。命を守るのが政治家の仕事だと 思ってきました。がんも自殺も 共に救える命がいっぱいあるの に次々と失われているのは、政 治や行政、社会の対応が遅れて いるからです」

翌2007年4月1日がん対策基本法が施行・そして今第4期「誰ひとり取り残さないがん対策の推進……」を目指すとしていますが、

「高額療養費制度」つまり負担上限額の引き上げ・これはがん患者の声を聞いていないのでは?

小口ディレクター
この制度は、患者が負担する<月ごとの医療費の限度額>を定めるものです。がんの治療にはお金がかかります。長期にわたって治療を受ける人も多いのです。ところが、負担が上がれば治療方法や薬があるのにお金がかかるのを理由に治療をあきらめる人が増えてしまうことが考えられます。

・基本、自己負担額は年齢や所得区分で決まる
・働く世代も同様、まさに命綱。
がん治療だけの話ではない、ということ。

小口ディレクター
・政府案では今年8月から引き上げの方針。
・全国のがん患者の団体でつくる連合会では去年、負担上限の引き上げを出来るだけ抑えること、患者への影響を緩和する策を求めて厚生労働大臣などに要望書を提出しています。

この要望を受けた議論の中で石破総理はこう答弁しました。
2025年1月28日衆議院予算委員会

立憲民主党 酒井なつみ議員
「がんや難病の方々などからは多くの切実な反対意見怒りの声 が続出しています。ここに全国がん患者団体連合会 =全がん連が集めた反対に関す るアンケートの冊子があります が3日間で3623人の声が集 まったそうです」

答弁資料朗読『子どものために少しでも長く生 きたいです。毎月さらに多くの 医療費を支払うことはできませ ん。死ぬことを受け入れ、子ど もの将来のためにお金を少しで も残す方がいいのか追い詰めら れています』

酒井議員から、審議にあたり当事者の意見を聞いていないことを追及されると、石破総理は「いちばん苦しんでいる方々の声 を聞かずにこのような制度を決 めていいとは思いません」と発言はするものの……

石破首相
「この制度の持続可能性をいかに維持するか高額な医療費であっ たとしても それが受けられる ためにいかなる工夫ができるか 政府として何を考えてるかとい うこともよくご説明をしていか なければならないと思っており ます」「厚生労働省においてそういう方 々のご意見をどういうかたちで 聞くのがいちばん適切か検討し ます」

「検討する=やります」ではない。厚生労働省に任せるともとれる?

小口ディレクター
具体的な答弁ではない。がん患者団体連合会は現在もオンラインで反対署名を実施しています。

2人に1人ががんになる時代。もし自分が、或いは身近な人、大切な人ががんになったら?

小口ディレクター
私自身もそうでしたがどれが正しい情報なのか迷子なりがちです。

・がん相談支援センター・日本対がん協会・マギーズ東京
・がん患者とその家族の相談場所としてがん相談支援センターや電話でのサポートをしている団体もあります。

必要とするひとりひとりに合った情報をまず探すことから。

最終更新日:2025年2月4日 21:21
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