「なぜ独裁者が40年近く支配」米・投資ファンドがフジテレビ・日枝氏の辞任要求
フジテレビの親会社に対して、アメリカの投資ファンドが書簡を送ったことが明らかになりました。そこには取締役相談役の日枝氏を「独裁者」と批判し、辞任を求める内容が書かれていました。
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“立て直し”が急務となる中、アメリカの“物言う株主”が再び声をあげました。
ダルトン・インベストメンツ
「フジテレビはスポンサー、さらには視聴者の信頼を回復することができるのでしょうか」
関連会社とあわせて「フジ・メディア・ホールディングス」の株式を7%以上保有している投資ファンド、ダルトン・インベストメンツ。フジ側に対し、3日付で書簡を送ったことを明らかにしました。言及したのは、フジテレビの“重鎮”日枝久氏についてです。
ダルトン社
「取締役会を絶対的に支配しており、影響力を保持している。何よりも重要なことは日枝久氏が辞任することだ」
日枝氏の辞任を求めたのです。
現在、フジサンケイグループの代表のほか、フジ・メディア・ホールディングスやフジテレビ、産経新聞社などで取締役相談役を務めている日枝氏。1988年に社長に就任して以降、長きにわたり経営を支配しているとして、投資ファンドは厳しく批判しました。
ダルトン社
「なぜ1人の独裁者が巨大な放送グループを、40年近くも支配することが許されてきたのか。信じがたいことだ」
また書簡では、取締役会の過半数を独立した社外取締役で構成することも求めています。
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投資ファンドがフジ側に書簡を出したのは、今年に入って3度目です。最初は1月14日付。
ダルトン社
「憤りを禁じ得ない事態」
フジ側に対し、“企業ガバナンスに深刻な欠陥がある”と指摘。フジテレビはその後、1月17日にメディアを限定した“クローズド会見”を開きました。
2度目の書簡(21日付)はその会見を批判するもので…
ダルトン社
「グループの隠蔽(いんぺい)体質を露呈しているとしか思えない」
“フルオープン”の記者会見を要求。
そして1月27日に行われたのが10時間を超える“やり直し”会見です。ただ会見が書簡を受けたものなのかについてフジ側は…
フジ・メディア・HD 金光修社長
「上場企業として当然頭に入れつつ、言われたからやったということではなく、自らの意思を持ってやっているということで、参考にはなったというぐらいのことだと思います」
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今回、株主から求められた日枝氏の辞任。社外取締役は経営陣の刷新も選択肢の一つとする一方で…
フジ・メディア・HD 斎藤清人社外取締役(4日午前)
「フジサンケイグループを長きにわたってまとめてきた方ですので、日枝相談役の知見等をいかしていく必要があると現時点では思っている。今、経営に携わってる者ができることを愚直に、真摯(しんし)に対応していくということがまずは必要」
経営刷新に向けた委員会は、4日に新体制の作り方などについて議案をとりまとめる方針で、これについて来週中の臨時取締役会の開催を求めたいとしています。
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CM出稿をとりやめている企業のトップからは…
サントリーHD社長、経済同友会代表幹事 新浪剛史氏
「第三者委員会できちっと何が起こったかを明確にすること、これしかない。やっぱりCMを打ちたい。だから早く明確にしてもらいたいなと思う。どう改善していくかという話を、フジテレビから世の中に早く発せられることを期待しています」
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経営体制の見直しに向けて、“日枝氏の進退”も焦点となります。