広島県でも大地震が起きる可能性があるのか? 広島周辺の活断層について専門家が徹底解説

1月1日に発生した能登半島地震ついて研究されており、広島大学で活断層を研究されている後藤秀昭准教授にお話を伺います。
地震のメカニズムについて
Q.「広島でも同様の地震が起きる可能性があるのか」という点を中心にお伝えしていこうと思うんですけれども、改めて今回の地震のメカニズムから教えてください。
■広島大学 後藤秀昭准教授
地震は断層運動によって起こります。今回の地震は、活断層が引き起こしたと考えています。
Q.2つのメカニズムがあるということですけれども。
■広島大学 後藤秀昭准教授
「海溝型」というものと「活断層による地震」という2つのタイプがあります。「海溝型」の方は、東日本大震災を引き起こしたような断層です。もう1つは「活断層」ですけども、阪神淡路大震災や熊本地震を引き起こした断層運動になります。
能登半島の断層
Q.今回が「活断層による地震」に当たるということで、活断層というのを見ていこうと思います。
■広島大学 後藤秀昭准教授
紫色で示したのが活断層で、斜めにいくつも延びているかと思います。能登半島辺りを見ていただくと、半島の海岸からすぐ近いところに、斜めに延びてるのが分かります。この断層が動いて地盤が隆起をして、それが活断層ですから、繰り返し動くことによって、能登半島ができてきたというわけです。
Q.断層が近いので、今回の津波が非常に早く来たというのは、そこも関係ありますか。
■広島大学 後藤秀昭准教授
はい。断層が近いというのは、津波の伝搬(伝わる速度)が速くなってくるということです。
Q.そして、この地域には2020年から地震が多発していたというようなデータがありました。
■広島大学 後藤秀昭准教授
はい。短期間でそれだけくさんの地震が起こるというのは、非常に珍しい現象だと思います。
広島県周辺にある活断層について
Q.地震を引き起こす活断層が、広島県の周辺にもあるということですよね。
■広島大学 後藤秀昭准教授
はい。中国地方の活断層の分布を示したものを見ると、中国地方の西部に割と活断層が多いんですけども、広島県辺りだと福山とかにもありますが、西部の広島市周辺から山口にかけて、斜めに延びるたくさんの断層が分布しています。
Q.福山の方にも、北部の方にもありますけれども、やはり広島県西部にたくさん断層が多くなっているというのが目立ちますよね。
■広島大学 後藤秀昭准教授
そうですね。広島辺りには多くの断層が延びております。