被爆2世が援護の対象になっていないのは憲法違反だと訴えた裁判で、広島高裁は原告の控訴を棄却しました。

この裁判は、広島で被爆した親を持つ被爆2世27人が「被爆者援護法」の対象になっていないのは違憲だとして国に1人当たり10万円の損害賠償を求めているものです。

広島地裁は去年2月、放射線の遺伝的影響による健康被害について「明確に否定できないが有力な見解になっていない」などとして訴えを退け、原告側が控訴していました。

13日の判決で、広島高裁の高宮健二裁判長は「被爆者と被爆2世とでは基礎となる医学的・科学的知見に顕著な差異がある」と指摘。「被爆2世を援護の対象にしないことは差別的な取扱いにあたらない」として、原告の訴えを棄却しました。

■全国被爆二世団体連絡協議会 寺中正樹 副会長
「私たちがどれだけ苦しんで生きてきたかということに全く向き合っていないというのがとても許せない」

原告側は、判決を不服として上告する方針です。
(2024年12月13日放送)