曾祖父母の被爆体験を伝える 広島の高校生平和大使の思い
ノーベル賞授賞式に合わせて、被爆者の思いを受け継ぎ活動する高校生平和大使もオスロを訪れています。被爆4世として、現地の若者とも交流した広島の高校生の思いを取材しました。
被爆者たちのこれまでの功績が称えられた歴史的な日。現地には、高校生平和大使の広島市立基町高校2年・甲斐なつきさんの姿もありました。
■甲斐なつきさん(署名活動のようす)
「みなさんの平和への思いを、ここ広島から世界へ届けませんか」
毎月、県内の高校生たちと核兵器廃絶を求める署名活動をしています。日本被団協のノーベル平和賞に、勇気づけられたといいます。
■甲斐なつきさん
「核兵器廃絶の活動であったり、平和への活動が認められたという事実が、私たちのモチベーションを上げてくれたりとか、ここで止まっていたらいけないなという風に感じさせてくれるきっかけになった」
甲斐さんは被爆4世です。曽祖父母の2人が被爆しました。
渡辺新一郎さんは32歳の時、救助活動で広島市内に入り被爆。内藤和子さんは長崎市内の爆心地から1.3キロ離れた工場で被爆しました。
■甲斐なつきさん
「自分自身が長崎と広島、両方の被爆4世であるということを私の強みだと思いますし、私が伝えていかなければならないことの多さも示していると思うので、その思いを伝えていくとともに(現地の)若者との対話を通してこれからの活動の糧にしていきたい」
オスロに着いた高校生平和大使は現地の高校を訪れ、核兵器の恐ろしさを伝える特別授業を行いました。甲斐さんも曽祖父と曽祖母から受け継いだ被爆体験を伝えました。
■高校生平和大使 甲斐なつきさん
「As a high school student, I don't have a power to change the world instantly.However
that doesn't mean I am or we are powerless.Regardless of age,location, or era, everyone
has the power to make the world a better place.」
(高校生の私には、世界を一瞬で変える力はありません。しかし、だからといって私たちが無力なわけではありません。年齢、場所、時代に関係なく誰もが世界をよりよくする力を持っています)
平和への想いを込めて、一緒に折り鶴を折って交流を深めました。
■現地の高校生
「I learned a lot and it will change my point of peace」
(きょう学んだ多くのことが私の平和に対する考え方を変えると思います)
■甲斐なつきさん
「お互い理解し合ったりそういうことが大事だとオスロの高校生たちとも共有できたので、話しあい、理解することの重要性を広めていきたいなと思いました」
(2024年12月11日放送)