広島からパリ五輪を目指す! 男子110mハードル髙山峻野選手 東京五輪出場・アジア大会を制した強さのヒミツを徹底プレゼン!【アナたにプレゼン・テレビ派】
広島テレビのアナウンサーが、気になるテーマを自ら取材して、お伝えする『アナたにプレゼン』。有田優理香アナウンサーが『パリへの道』と題して、広島のチームから、2024年開催のパリ五輪出場を目指す、男子ハードル選手についてプレゼンします。
男子110mハードル 髙山峻野選手
今回は、パリオリンピック出場に期待がかかるハードル選手を紹介します。男子110mハードル元日本記録保持者で、広島市出身の髙山峻野選手です。オリンピックは前回の東京大会で初めて出場しました。2023年のアジア大会を制して勢いに乗る29歳の髙山選手に、今季の意気込みを聞きました。
■男子ハードル 髙山峻野選手
「パリ五輪だからではなく、常に自己ベストを更新することを目標にしているので、その延長線上に、日本選手権でしっかり走ってタイムを出して、そこで勝ち取ったものとしてあるみたいな感じです。特に、オリンピックに出たいから頑張るというよりは、常にどの試合でも一生懸命頑張って自己ベストを出して、その先に五輪があるイメージですね。」
髙山選手が大会などで飛ぶ競技用の男子のハードルの高さは106センチで、自動改札機や公園で小学校低学年が掴む鉄棒とほぼ同じ高さです。これだけの高さがあるハードルを、歩数を合わせて飛び越えるには、技が必要となります。ハードルは、パワーやスピード、技術など様々な要素が大事になる競技です。
ハードルを軽々と超える髙山選手には、イラストを描く特技があり、オリジナルのキャラクターを作り出すほど、かなり本格的です。高校時代はクラスTシャツのデザインも手がけたそうです。
髙山峻野選手の強さのヒミツここにアーリー!
魅力がたくさんある髙山選手の強さの秘密は2つあります。1つ目は『髙山節』です。世界を相手に戦う髙山選手は、素晴らしい経歴とは裏腹に、発言が控えめです。2019年に日本記録を出した時には「こんなタイムを出して何か悪いことが起きるんじゃないか。」「もうこれで限界を感じました。これから緩やかに落ちていくと思います。」と、さらにパリオリンピックに関して「正直、今のところ自信はないです。」とネガティブに捉えられる発言が、ファンの間で『髙山節』とも呼ばれています。
しかし、この発言はネガティブではありません。日本全国どこでも応援に駆けつける自称・髙山選手の1番のファンで、兄の渓太郎さんは、家族だからこそ知る真意を語ってくれました。
■兄・髙山渓太郎さん
「周りが頑張れと言っている中で、浮つかないようにしている。その中で自分の目標を見失わないように、再確認の意味も含めているのかなとは思っている。」
謙虚で、努力を怠らないこの控えめなコメントに、髙山選手の強さの秘密が隠れています。
2つ目は『原点は母校』です。髙山選手は、オフシーズンに母校の広島工業大学高校で、高校生と一緒に練習しています。後輩にあたる2年生の石高沙綾さんは「オーラが違う!練習に取り組むストイックさを見習いたい」と、興奮気味に話しました。髙山選手にも良い刺激になっています。
髙山選手を高校時代に指導した福地光文副校長は、正面入口に飾られている東京オリンピックのユニホームを嬉しそうに見せてくれました。
■広島工業大学高校 福地光文副校長
「何か展示できるものはあるかと聞いたら、どうぞといただいた。」
さらに、陸上部員の活躍や輝かしい成績を自作の「新聞」にまとめています。その名も「Koスポ」です。
■広島工業大学高校 福地光文副校長
「うきうきしながら作っていたように思います。最初は数行だったが、生徒があまりにも一生懸命見てくれるので、調子に乗って文章量が増えた状況でした。」
Q.パリに出場したら号外は出る?
■広島工業大学高校 福地光文副校長
「ぜひ作ります!一面は、エッフェル塔にしようかなと思っています。」
「Koスポ」の作成や号外作成と、今から気合い十分の福地光文副校長は、ハードルの選手だったため、より一層気持ちがこもるところもあり、記事の文章から写真選び、編集まで全て手掛けています。「髙山、工大高から世界へ」と大きな見出しや写真を使って華やかにするなど、創意工夫を凝らしています。高山選手も「こういったところが、高校時代のモチベーションにもつがっていた」と話していました。
多くの人の支えを感じながら、オリンピックシーズンに挑む髙山選手は、4月に広島で行われる織田幹雄記念国際陸上競技大会に出場予定です。日本選手権で3位以内に入ることがパリオリンピック出場への鍵となります。「広島の皆さんに元気な姿を見せて、恩返しができるような走りがしたい」と意気込んでいます。広島から世界に羽ばたく髙山峻野選手に注目です。