ながらスマホ・酒気帯び運転 11月から自転車違反に罰則 広島
11月から自転車の運転中にスマートフォンを操作するいわゆる”ながらスマホ”などの罰則が新たにできます。
その背景には事故の増加や運転マナーの悪さがありました。その実態を取材しました。
人通りの多い平日午後5時過ぎの広島市内中心部です。
「スマホを見ながら走ってます。かなり危険です」
「かなり車や人が多い通りですがながらスマホで運転しています」
取材をはじめて20分。スマホを操作しながら運転する、いわゆる”ながらスマホ”を10人目撃しました。
■歩行者
「(スマホ)しながら左車線によって走っていたのに正面から来られたら怖いなと」
■歩行者
「私とかは危ないなと思ったらぱっとよけられるけど高齢の方や小さなお子様を手ひいている方とかはとっさの判断が難しいと思うので」
自転車での”ながらスマホ”の死亡または重傷事故の件数です。2023年は26件、2024年も半年ですでに18件と近年増加傾向にあります。事故の増加を受け、11月1日から運転中の”ながらスマホ”に新たな罰則ができます。違反者は6か月以下の懲役または10万円以下の罰金。さらに、”酒気帯び運転”も罰則の対象です。
【11月から変わる道路交通法について】
11月からは自転車の”ながらスマホ”と”酒気帯び運転”に対して罰則が設けられます。
”ながらスマホ”については、停止している時を除き、電話や画面を注視しながらの運転が違反です。
”酒気帯び運転”は、飲酒した運転手だけでなく、自転車の提供者、そして、お酒の提供者や同乗者も罰則の対象になります。
そして、ほかにも違反が目立っているのが、電動キックスケーターです。
今回の取材でも自転車以上に電動キックスケーターの違反を目にしました。そして今回、警察がおこなった取り締まりを取材してきました。
「今、後ろから乗りました。2人乗りですね」
街で見かける機会が増えた電動キックスケーター。「特定小型原動機付自転車」に区分され、16歳以上は免許が無くても運転することができます。乗り場は、県内150か所以上にあり、手軽な反面、こんな声も聞かれました。
■電動キックスケーター利用者
「車道走るのは市内だったら怖い。路側帯があるわけでもないし車との距離が近い」
■電動キックスケーター利用者
「ルールがよく分からない。自転車と一緒でいいのか原付と一緒でいいのかがあいまいで乗っていて自分も怖いなと思う」
電動キックスケーターの原則は、車道通行。
一部の歩道を走る場合は、ハンドル横のライトを点滅させながら、時速6キロ以下で走る必要があります。しかし、ほとんどの車両が違反をしていました。
約1年間で検挙されたのは63件。そのうち、歩道通行での違反が8割を占めていました。
先月(9月)、私服警察官が夜の繁華街を取り締まりました。
「自転車にライトがついていないということで捜査員が男性を呼び止めました」
注意を受けるのは、自転車にライトをつけていない人たちが大半でした。
そして、取り締まること45分。
「捜査員が小型モビリティで歩道を通行したということで男性を呼び止めました」
■私服警察官
「点滅したら6キロモード。歩道通行なので6000円になります」
歩道を規定速度以上で走ったため検挙されました。
男性は初めて電動キックスケーターに乗りルールがあまり分かっていなかったということです。
■広島県警交通部交通企画課 宮庄律和 管理官
「手軽な乗り物であるがゆえに基本的な交通ルールがしっかり守られていないのかなということがあるので、しっかりと理解していただくということも含めて街頭での指導啓発活動をやっていきたい。取り締まりも含めてやっていきます。」
【電動キックスケーターなど、特定小型原動機付自転車についての主な交通ルール】
原則は車道を走り、左側通行です。
一部の歩道では通行できますが、その場合は、時速6キロ以下のモードに切り替え、ハンドル横のライトを点滅させなければいけません。
【2024年10月29日 放送】