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線状降水帯の発表が県単位に!【防災プロジェクト】

2024年5月30日 19:49
線状降水帯の発表が県単位に!【防災プロジェクト】

豪雨災害などを引き起こす「線状降水帯」について、今月27日から予測の仕方が大きく変わりました。

線状降水帯とは、発達した雨雲が、同じ場所に数時間にわたって停滞してつくり出される強い降水域のことをいいます。

2014年8月20日、広島土砂災害が発生した日の雨雲レーダーの様子です。
この日、広島市安佐北区では1時間の雨量が最大121㎜、24時間累積で最大287㎜と観測史上最大の数値を記録しました。
この大雨の影響で安佐南区・安佐北区を中心に土砂災害が発生し、77人が命を落としました。

気象庁は2年前から、線状降水帯の「半日前予測」を行っています。地域ごとに、12時間~6時間前に発表される予想のことです。

中国地方では、台風が接近していた去年8月14日に「線状降水帯半日前予測」が発表されました。
ただ、このとき実際に線状降水帯が発生したのは、岡山と鳥取でした。広島・島根・山口では発生しなかったんです。
これまでは、全国を11の地域に分けて、発表されていたので、どうしても、範囲が広くなってしまっていたんですね。
それが今月27日から大きく進化しました。
全国を59の地域に分け、主に、都道府県単位での発表が可能となりました。

広島地方気象台の担当者も、より細かい予測への期待を寄せています。

■広島地方気象台 佐伯直之 防災気象官
「スーパーコンピュータとか技術的なものもありますし、そういうことによって、情報の精度をそのままに地域を絞り込むことができるようになりました。
地域を絞ることによって、我がこと感をもってもらうというのが重要。今後ですね、ひまわり10号が令和11年度までに打ち上げられる予定です。それによって、市町単位での呼びかけができればという計画をしております。」

2022年は13回予測を発表し、実際に発生したのは3回で、的中率はおよそ23%でした。
2023年は22回の予測のうち発生は9回で的中率は41%に。1年で精度がぐっと上がりました。気象庁は、この精度をそのままに、予測の範囲を狭められるとしています。

線状降水帯予測が発表されても、すぐに避難する必要はありませんが、危険な積乱雲が発生する確率は非常に高く、大雨に警戒が必要です。
そのため、次のような行動を心掛けてください。
・テレビやスマホなどで信頼性の高い情報源から気象情報を取得する。
・ハザードマップで自宅が土砂災害危険区域に入っているか確認する。
・避難に必要な物を準備しておく。
・自治体からの情報をしっかり把握する。

梅雨入りを前に改めて確認しておいてください。
【2024年5月30日放送】