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多くの人に愛された「ネコ駅長りょうま」に続け! 利用低迷の駅を守るために 元駅員が探し続ける2代目ネコ駅長 果たしてどうニャるの!?

2023年10月28日 13:54
多くの人に愛された「ネコ駅長りょうま」に続け! 利用低迷の駅を守るために 元駅員が探し続ける2代目ネコ駅長 果たしてどうニャるの!?

利用が低迷し、存廃が取りざたされるJR芸備線に、かつて「りょうま」と名付けられたネコの駅長がいました。その「りょうま」がこの世を去って4年半。今も続くのが、地元の人たちの2代目の駅長選びです。

駅の利用者から愛されたネコ駅長

ネコを訪ねて、地元周辺を回る1人の男性、中原英起さん・78歳です。

■中原英起さん
「しっぽが長いのが好き。(人に)慣れとるしね。」

中原さんが探すのは、「2代目ネコ駅長」の候補です。

■中原英起さん
「ネコ駅長の基本は、人なつっこいこと。これ第一じゃね。りょうまは格別じゃけえね。」

広島市安佐北区白木町の志和口駅は、りょうまが駅長を務めたJR芸備線の小さな駅です。ここに棲みついたりょうまを、当時駅員だった中原さんが見つけたのは、2010年頃でした。構内を見回る姿は人気を集め、ほどなく駅長に。りょうまに会うために、およそ2万人が訪れ、利用の低迷が続く芸備線の盛り上げに一役買いました。

しかし、2018年の西日本豪雨で芸備線は被災。りょうまは、その復旧を見ることなく、翌年の2月にこの世を去ります。14歳位だったと見られます。

りょうまがいた志和口駅を残すために

駅員を退職したあとも、りょうまをその死の日まで見守り続けた中原さん。今は、無人駅となった志和口駅を訪れるのが、毎朝の日課です。

■中原英起さん
「ああ、ここがりょうまの駅かと。きれいだね、無人駅だけどきれいにしてあるねと思ってもらえればうれしい。」

しかし、芸備線を取り巻く状況は厳しくなるばかりです。JR西日本は、1日1キロあたりの乗客数を示す輸送密度が、2000人以下の区間の利用状況を公表し、経営の厳しさを主張。芸備線のほとんどが該当します。この駅を守りたい。中原さんは、りょうまの存在が、その一助になるのではと考えていました。

2022年、中原さんは駅前の空き家を改装し、「りょうま駅長記念館」を開館しました。帽子や制服など、ネコ駅長の生きた証しを展示しています。それから1年余りで、2300人余りがここを訪れました。しかし、中原さんは、芸備線と駅を守るには、新たな取り組みが欠かせないと考え、その先にあったのが「2代目ネコ駅長」でした。

■中原英起さん
「これがですね、次の2代目のりょうまがかぶる帽子です。」

2代目の話を聞いて、近所の住民が作った駅長の帽子です。

Q.もう2代目の帽子があるのは期待感がある?
■中原英起さん
「期待感がある。この帽子をかずく(かぶる)のは、どのネコかなと思っているんです。」

動き出した駅長探し。中原さんは、「2代目に…」との思いで、2年前から2匹のネコをを飼っています。しかし距離は、なかなか縮まりません。

志和口駅の周りでも、候補のネコを探しました。この日訪れたのは、白木町内の民家です。現れたのは2匹の野良猫です。4か月ほど前に、庭に住み着いたネコがいると聞きつけて以来、毎日訪れています。

■中原英起さん
「(2代目駅長の)要素?あるね。ものすごく人なつっこいから。人が見てだっこしたいという気持ちがわくネコよね。」

仲の良い2匹ですが、駅で世話するとなると、中原さんの負担も大きくなります。

一方、知人の家に住むネコも候補の1匹ですが、初めて会う人への警戒心は強めです。中原さんは、広島県内各地で、2代目駅長の候補を探し回っています。

この日、地元の公民館に住民が集まっていました。その名も「ネコ駅長2代目準備委員会」です。候補になった6匹の写真を貼り出し、意見を募ります。

■中原英起さん
「皆さん見てどう思われます?率直に。」
■集まった住人たちは…
「写真を見た中では左から5番目。」
「ちゃとら、1番元気かも。」
「今からしつけていくんなら、若い方がいいんじゃないか。」

多数決の結果、最も人気が高かったのは、人懐こいあの野良ネコ。しかし、票は分散し、候補は決まりませんでした。

■参加した小学生
「ちょっと珍しい毛並み。ちょっと毛が長めでかわいい。」
■参加した住民
「素直なのが1番いいですね。人間でもそうですがね。」

■中原英起さん
「りょうまという最高のネコを見てきていますから、どうしても見劣りをする。私自身がゼロからのスタートをしないと、なかなか2代目は見つからないと痛感しました。」

できれば、議論した6匹の中から、なるべく早く候補を決め、記念館に連れてきて、環境に慣らしたいそうです。りょうまがこの世を去って4年半余り。今も多くの人に愛され続ける「ネコ駅長りょうま」。その生き方は、跡継ぎ選びを左右するほど、鮮烈でした。

【テレビ派 2023年10月25日放送】