3月8日は国際女性デー 誰もが過ごしやすい学校を目指す取り組み
豊かで快適な人生を送る社会を目指す「わたしらしく生きるプロジェクト」。3月8日は女性の地位向上などを目指す行動の日「国際女性デー」です。紹介するのは、女子生徒や女性の教職員たち、誰もが過ごしやすい学校を目指す府中市の取り組みです。
■金丸真帆記者
「新しくつくられたのは先生のための休憩室です。ソファベッドやついたてで落ち着いて休むことができます」
広島県府中市にある小中一貫校・府中学園に先月設置された、その名も「オアシスルーム」。教職員が休憩を取れたり搾乳することができます。府中市教育委員会が「教職員の働き方改革」の一環として、県内で初めて設置しました。
■府中市教育委員会 小寺和宏 センター長
「先生方の職場環境がしっかりしていないと先生方も子供に向き合うことがなかなか難しいと」
生徒や児童が利用する「保健室」ではなく、より落ち着いて休める場所を。そんな思いで誕生しました。妊娠時のつわりや生理、また男女問わず体調が悪い時などに利用できます。また、搾乳したあと母乳を保管できる冷蔵庫も備えています。
■女性職員
「先生方みなさん立ち仕事。黒板の前でずっと立ってるし、職員室も休憩するような場所はないのでこういう部屋があるのはとても助かる」
■小学校の男性教員
「なかなか子どもたちから目が離せなかったり気になったり仕事がたまっていたりすると、(これまで)休むのは難しい。思い切ってこの部屋に飛び込めば休めるというのは良い取り組み」
一方、府中市の公立学校ではこんな取り組みも…。保健室で生徒が箱に詰めているのは、生理用ナプキンです。
■金丸記者
「府中市のこちらの中学校では、女子トイレの全ての個室に生理用ナプキンが設置されている」
設置を後押ししたのは教育委員会が子どもたちに実施したアンケートの結果でした。
■府中市教育委員会 大川幸雄 学校教育課長
「生理用品が無くて困ったことがあると答えた児童生徒が31。8%いたというのが、これはちょっと想定外というかこんなにいるんだと」
見えてきたのは、家庭のさまざまな事情や貧困。また、周期が不安定で急にナプキンが必要になり困っている生徒の存在。そこでおととし市内全ての公立学校に生理用ナプキンの設置を決めました。
■女子生徒
「急になったときもすぐに使えるのはありがたいです」
「前よりも(生理のことを)友達に話す機会も多くなったし、私が思っているよりもみんな助けてくれるから安心した」
■男子生徒
「女の子にとって生理用品は男子にとってトイレットペーパーと同じくらい大事なものだと思うので良い取り組みだと思う」
しかし、保健室の教諭は”心配ごと”もあると言います。
■府中市第一中学校 養護教諭
「本当に家庭的にしんどい状況があって、必要な子は(ナプキンを)とれることで完結をしてしまって本当にしんどい部分を相談することができにくくなっているのかな」
そこで教育委員会はメッセージカードを作成。生理などで困ったときは先生に相談してほしいと呼びかけています。性別にかかわらず誰もが過ごしやすい学校づくりが進んでいます。
《2024年3月8日放送》