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【カープ・栗林良吏投手】日本人最速タイの偉業を達成!好調のカギは制球力の向上と感謝の気持ち

2024年6月15日 7:30
【カープ・栗林良吏投手】日本人最速タイの偉業を達成!好調のカギは制球力の向上と感謝の気持ち

カープの絶対的守護神・栗林良吏投手に、今シーズン掴んだ手応えを聞きました。

カープの守護神に君臨する栗林良吏。今シーズン、24試合に登板し、防御率は驚異の0点台。さらに、リーグ2位の15セーブをマークし、接戦をものにする新井カープを支えています。(成績は6月9日現在)

■カープ 栗林良吏投手
「久しぶりに開幕からいい状態で投げられているのがあるので。1敗しているところは反省するところはありますけど、それ以外に関してはいいのかなと思っています。」

開幕から好調を維持できているのには、ある要因がありました。

■カープ 栗林良吏投手
「一番は制球力が安定してきたので、フォアボールの数が減りましたし、カットボールでストライクが取れるのが、1番大きいのかなと思うので。」

今シーズンの栗林を支えるのは制球力。1イニングあたりに出すフォアボールは約2個。過去3年と比較しても改善しています。その制球力向上のカギを握っているのは、カットボールの精度です。

■カープ 栗林良吏投手
「右にも左にもサインが出るようになりましたし、制球を含めてキレだったりとか、凡打になる確率だったりとか、そういうのはいいのかなと思ってます。」

さらにもう1つは、伝家の宝刀に好調の理由がありました。

■カープ 栗林良吏投手
「フォークボールが低めに行ったときに、振ってもらう確率が高くなった。本来振らなかったらボールのところを、振ってもらったりとか、ファウルになったりとかして、ストライクになっているので。」

2024年に奪った29個の三振のうち、17個がフォークで奪ったもの。制球力が向上したことで、早めに打者を追い込み、決め球のフォークが効果的に使えているといいます。

■カープ 栗林良吏投手
「ワンバウンドになるかならないかギリギリのところが、一番自分の中では空振り率が高いのかなと思うので、キャッチャーのところでワンバウンドするかしないかを狙って投げるようにしています。コントロールに助けてもらっているという感じです。」

制球力の向上が、心の余裕に繋がった

制球力の向上は精神的余裕にも繋がっています。それが表れたのは、5月18日の巨人戦でした。2点リードで登板した栗林でしたが、1点を失うと、なおも2アウト3塁1塁のピンチ。ここでフォアボールを与えてしまいます。

■カープ 栗林良吏投手
「フォアボールが(今シーズン)少なかったので、泉口選手にフォアボールを出した時でも、次のバッターは大丈夫と思いましたし、あのフォアボールも、勝負に行ったなかでのフォアボールだったので、悔いがないというのか、切り替えがうまくできた。」

次のバッターを迎えますが、ボール球が先行し2ボール0ストライク。

■カープ 栗林良吏投手
「昨年まではランナー1・2塁とかで、2ボールとかになっちゃったら、やばいなとか思ったりしますけど、それまでの登板で(制球力に)自信をもってマウンドに上がれていたので、2アウト満塁で2ボールになっても、大丈夫と思って投げられました。」

2アウト満塁、フルカウントと緊迫する場面。それでも自信をもった栗林に迷いはありませんでした。最後はストレートで空振り三振。コントロールに自信をもったことで、不安に打ち勝ちました。

■カープ 栗林良吏投手
「ストライクゾーンに入れにいくのではなくて、自分の球を信じて勝負できたのが良かったのかなと思います。」

感謝を積み重ねて成し遂げた100セーブ

そして、栗林にとってメモリアルな登板もありました。

■カープ 栗林良吏投手
「100セーブを達成できて良かったなと思っています。」

5月26日のDeNA戦で、栗林は球史に名を刻む偉業を成し遂げました。178試合での通算100セーブ到達は、日本人では最速タイの記録です。そんな偉業達成後、栗林を直撃すると真っ先に口にしたのは感謝の思いでした。

■カープ 栗林良吏投手
「今まで支えてくれた家族含め、裏方さんやトレーナーの方々、コーチや監督、選手の皆さんのおかげでここまでこれたので、100セーブで終わらないように、明日からも頑張りたいなと思っています。」

周囲への感謝の思い。そこに栗林の4年間が表れていました。2020年のドラフト1位で入団した栗林。座右の銘は今でも変わらない「謙虚」の二文字です。初セーブを上げた後に行ったインタビューでは…

■カープ 栗林良吏投手(2021年4月11日)
「自分がマウンドにあがれたのは、前に投げていたピッチャーのお陰なので、前に投げたピッチャーの方々に感謝したいなと思ってます。」

ルーキーイヤーは、37セーブをあげるなど、圧倒的な成績を残し新人王を獲得。2年目にも31セーブをあげ、球団史上初となる新人から2年連続30セーブを達成しました。しかし、3年目を迎えた昨シーズンは前半戦だけで6敗。さらにケガでプロ入り後初の2軍生活を経験するなど苦しみました。

■カープ 栗林良吏投手
「逃げ出したい気持ちももちろんありましたし。どうして打たれるのだろうという気持ちが一番強かったです。」

支えてくれる人たちに、感謝で結果を返したい

プロ野球人生で1番という挫折を味わった栗林。そんなときでも口にしたのは…

■カープ 栗林良吏投手
「起用してくれる監督さん含め、首脳陣に申し訳ない。新井さんも良いところで起用して下さるので、多くの試合で活躍できるように期待に応えられるように。」

自らを起用してくれている監督。ともにプレーするチームメイト。応援してくれる家族、ファンのために。そんな感謝の思いが積み重なり成し遂げた100セーブです。

■カープ 栗林良吏投手
「佐々岡さんと新井さんが、そこで起用してくれているおかげだと思っているんで。1年目に佐々岡さんが9回というところを指名してくれなかったら、こういう記録も残せなかったですし、2年目・3年目で結果が出ない時でも9回で投げさせてくれていたのは、監督さんたちなので。そういう方々のおかげの最速なのかなと思います。」

偉業を成し遂げても、謙虚に腕を振り続ける背番号20。これからも自らを支えてくれている人たちのために、感謝の思いを背負いマウンドに上がります。

■カープ 栗林良吏投手
「監督の起用に応える、首脳陣の起用に応えるのが、1番の仕事だと思うんで、それが結果的に勝利に繋がれば、見てくれるファンの皆さん含めて、たくさんの方に喜んでもらえると思うんで。9回をやらせてもらっているので、そこに対する責任感とプレッシャーと、なんとかこの場所(9回)を守りたいという気持ちと、あとはこれ以上迷惑かけたくないという気持ちがあるので、そこに起用してくれている新井さんに感謝して、なんとか結果で返したいと思っています。」
《2024年6月9日 広島テレビ「元気丸」で放送》

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