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【解説】「コメの値段はなぜずっと高い?」21万トンが消えた!?その背景に何が

2025年2月14日 19:26
【解説】「コメの値段はなぜずっと高い?」21万トンが消えた!?その背景に何が

ニュースのそもそもをひも解く「県民のギモン」。今回のテーマは「コメの値段、いつまで高い?」です。

(中村絵奈さん)
14日、熊本市のコメ販売店に向かうと、「一家族30キロまで」と購入を制限する張り紙が。

■藤木米穀 藤木健太専務
「今すぐ売るコメがないというわけではありませんが、まだ2月ですし、新米が出るまであと7か月近くあるので、先のことを考えると足りないだろうと感じます。30キロで買われるお客さんが多いので、1か月とか2か月ぶりに来られますけど、値段を見て帰られる人もいますね」

去年から続くコメの高値、いわゆる「令和のコメ騒動」。県内のコメ5キロあたりの値段は、去年1月は2087円でしたが、その後は右肩上がりし9月には3258円。去年12月には3993円まで上がり、1年間で2倍近くになりました。

このニュースに、県民のみなさんはどんなギモンをお持ちなのか、聞いてきました。
■母と娘
「農家さんたちが作るのがすごく大変なので、多少高くても作る人のことを考えたら多少はいいのかなと思う」
■男性
「もともと2000円ぐらいだったのが4000円ぐらいになったのかなと思う。ご飯をめちゃめちゃ食べるので、ちょっと気をつけないとなと思って食べています」

■男性
Q最近、コメの値段をどう思われます?
「高いです。収穫量は多いとという話ですけど、どこでストックしてあるの?」

街の人から聞かれた「収穫量が多いはずのコメ、どこかでストックしている?」というギモン。緒方太郎さん、どうなんですか?

(緒方太郎キャスター)
農林水産省によりますと、熊本県内の去年1年間のコメの収穫量は15万3300トンで、前年より2000トンあまり少なくなりました。ただ、県の担当者は、前年が豊作だったので、決して少ない値ではないと話しています。

一方、全国でみると、去年のコメの収穫量は前年より多かったんです。それなのに、市場に出回っているコメは前年よりも21万トン少ないんです。21万トンというと、茶碗約32億杯分です。

(中村絵奈さん)
21万トンはどこに消えたんですか?

(緒方太郎キャスター)
今月、江藤農林水産相は、このように話しています。
■江藤農水相
「(コメの価格上昇の背景は)投機的なものであって、『マネーゲーム』であるということは、もう明らかだと思います。今回は、今まで“コメを扱ったことがないような人”まで参入している気配があります」

つまり、本来はコメを扱わない業者が「一儲け」しようと市場に参入して、「売り時を探っている」可能性があるんです。

(中村絵奈)
そうした中で、おそらくみなさんが一番気になるギモンは、「コメの値段、いつ下がるの?」ということだと思います。

(緒方太郎キャスター)
そのキーワードは「備蓄米の放出」です。備蓄米は、政府が毎年20万トンほど買い入れて5年間保管します。5年を過ぎたコメは食用ではなく飼料用などで販売します。これまでは、凶作や災害で供給量が大幅に減った時に活用されました。1月、制度が改正され、「流通に支障が生じた場合」も活用できるようになりました。

そして農林水産省は14日、21万トンの備蓄米を放出する方針を示しました。3月初めに15万トンについて入札を行い、3月半ばには業者へ引き渡す予定です。備蓄米は新しいものから放出するとみられ、仮に2年以上前のものでも、味の心配はないそうです。

(中村絵奈さん)
備蓄米の放出により、コメの値段はどうなるんでしょうか?

(緒方太郎キャスター)
流通や消費生活に関する調査分析を行う地方経済総合研究所の研究員林田祐子さんによりますと、備蓄米が放出される3月以降、店頭に並ぶコメの量が増えることで、価格が落ち着く可能性が高いということです。

最終更新日:2025年2月14日 19:26