「いつかばれると思っていた」元熊大大学院生が発表した論文の半分以上が盗用 指導教員がチェックせず
熊本大学大学院では去年7月、社会文化科学研究科の元大学院生の論文が盗用であるという告発が寄せられたため、大学の理事や弁護士などでつくる委員会が調査を行っていました。その結果、元大学院生の女性が2018年に発表した論文の半分以上が、すでに第三者が発表したものと同じ内容だったということです。
この論文は大学院が発行する学術誌に発表され、引用先の記載もありませんでした。
元大学院生は2022年9月まで在籍していた留学生で、委員会の聞き取りに対し、「ほかの大学院生に遅れをとっていると思い焦った。いつかばれると思っていた」と盗用を認めているということです。
【スタジオ】
盗用が起きた原因について熊本大学は、指導教員が論文の発表前に内容のチェックをしていなかったことと、不正防止の教育が不十分だったことをあげています。元大学院生は、熊大が義務付ける研究倫理教育を受けた覚えがないと話しています。
熊大は問題の論文を取り下げる一方で、元大学院生がすでに退学していることから処分は行わない方針です。