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【平均寿命"数時間~数年"】奇跡の連続捉えた記録 「18トリソミー」の子どもたちの写真展

2023年11月17日 18:59
【平均寿命"数時間~数年"】奇跡の連続捉えた記録 「18トリソミー」の子どもたちの写真展

染色体異常の一種で、23対46本ある染色体のうちどれかが1本多い状態のトリソミー症候群。ダウン症と呼ばれる21番の染色体が多い21トリソミーは平均寿命60年と言われるのに対し、18トリソミーと13トリソミーは平均寿命が数時間から数年とされています。

17日から大津町である写真展が始まりました。「18トリソミーの子どもたち」。染色体異常によって生まれた子どもたちの生きる記録です。

じっとママを見つめる穏やかな笑顔。笑いかける子どもたちの鼻には、管がつながれています。カメラに写るのは、18トリソミー症候群という染色体異常と診断され、生まれた子どもたちです。

17日から大津町生涯学習センターで始まった写真展。企画したのは、熊本県内に住む佐々木直美さんと木下芙美さん。ふたりとも18トリソミーの子どもを育てるお母さんです。

去年、長崎県で開かれた写真展に佐々木さんが足を運んだことから、熊本の人にも知ってほしいと考えました。

■佐々木直美さん
「18トリソミーの子たちは、1分1秒1日が奇跡の連続。奇跡でしかいられない子たちなので、その子たちを見てもらって、いかに私たちが当たり前に過ごしていることがこんなにすごいことなんだと分かってもらえるとうれしい」

3500人~8500人に1人の確率 医療サポートを受けながら日々成長

(佐々木さんの自宅)
■平井友莉アナウンサー「平井です~」
■佐々木直美さん「よろしくね~」
■唯歩妃ちゃん「び~~~~」
■平井友莉アナウンサー「ご挨拶ですかね」

佐々木さんの第1子・唯歩妃(いぶき)ちゃん(2歳5か月)。唯一無二の存在で、自分のペースで人生を歩んでほしいと名付けられました。出産後に染色体異常の診断を受けた唯歩妃ちゃん。3500人~8500人に1人ほどの確率で発生する先天性の病気です。流産の頻度が高く、生まれても9割以上が1年以内に亡くなるといわれています。

自宅では、血中酸素濃度や心拍を見ながら、そばで異常がすぐに分かるようにしています。

■佐々木直美さん
「常に、24時間、命を守るじゃないですけど、機械が教えてくれるから、音で反応して熟睡はできないですよね。やっぱり心配だから」

訪問看護で医療のサポートを受けながら日々の成長を見守ってもらうことも。

■佐々木直美さん
「いぶちゃんご飯ね~」

食事は、朝6時から夜11時まで1日6回に分けて栄養剤を注入します。ただ、家にこもるだけでなく、温泉や外へのお出かけも大好きな唯歩妃ちゃん。呼吸器などをつけて家族で出かけることも。

■佐々木直美さん
「日々成長とか、一緒に過ごせるようになって、怖さとか悲しい思いより、今は前向きで楽しく過ごして、1日でも長く生きてほしいし、1日でも楽しく過ごしてもらいたいという思いで毎日過ごしている」

「みんなが寄り添って楽しく」200人超の表情に願う

全国の18トリソミーの子どもたちの写真を集めた展示会。200人を超えるさまざまな表情が並びます。会場の準備には、同じく18トリソミーの子どもを出産したお母さんたちが駆けつけました。

■坂田恵さん(2016年に出産)
「熊本であるなら何かお手伝いしたいなと思って。こういう子どもを持っている家族が世の中にいるんだというのを知ってもらえたらいいな」

会場には唯歩妃ちゃんの写真も。去年のハロウィーンでお父さんが買ってきたマントを着て、にっこり。

■佐々木直美さん
「みんなとお友達と並ぶと、より笑顔が、1人よりもっと明るくなっている感じもする」

染色体異常で生まれながら、一生懸命生きる子どもたちの姿が私たちに訴えかけます。

■佐々木直美さん
「18トリソミーに関わらず、他の病気や障がい見た目ではわからない病気を持っていたりするかもしれないけど、みんなが寄り添って楽しく過ごせるような生活ができれば」

写真展は、大津町生涯学習センターで11月19日(日)まで開かれます。