「急転直下」坂本哲志議員が農水相に 街からは裏金疑惑に厳しい意見も
自民党安倍派の政治資金パーティーをめぐる裏金疑惑を受けて、岸田首相は閣僚交代人事を行い、農林水産相に衆議院熊本3区選出の坂本哲志議員が起用されました。
政治資金パーティーをめぐる裏金疑惑を受けて、岸田総理が踏み切った安倍派の閣僚交代。宮下一郎農林水産相の後任となったのが、衆議院熊本3区選出の坂本哲志議員です。
(電話の様子)「これからすぐですね」
午後1時頃、連絡を受け総理官邸に向かいました。
坂本議員は大津町出身の73歳で、2003年の衆議院選挙で初当選し、現在7期目。自民党では森山派に所属しています。2020年に発足した菅内閣では地方創生担当相を務めました。
■農水相に起用された坂本哲志衆議院議員
「急転直下でこういうことになったが、農林水産業にとって重要な局面。食糧の安定的な供給ができるような政策を国民の皆さんの前に提示できるよう、実践できるようにしたい」
現在の内閣で県選出議員として3人目の登用に自民党県連の前川收会長は。
■自民党県連 前川收会長
「自らのフィールドワークの中での農業というのはものすごく大きいし、第1次産業に対する造詣もとても深いです。いい政治をやっていただけると期待しています」
坂本哲志議員の農林水産相起用について県内では…。
■70代男性
「期待していますよ。熊本から閣僚が3人出ていますしね」
■40代男性
「僕も農林水産業なので本当に応援しています。熊本は農業県として有名なので、ぜひ坂本さんの力で熊本県も盛り上げてほしいし、 全国の農業も盛り上げていってほしい」
一方で、閣僚交代のきっかけとなった裏金疑惑については、厳しい意見が相次ぎました。
■80代男性
「情けないね。あれだけ高額な予算を持ってお金を持っているのに」
■30代女性
「少子化対策ではいろいろ支援してくれるというけど、その財源はどこから出すの?自分たちの税金というんだったら、その5億円戻してもらって、それでまかなってもらいたい」
■40代男性
「残念といいますか、これで本当に議論すべきことが少し延期されたりとか、うやむやになったりとか、そういう副作用的なものもあるのではないかと感じている」
■70代女性
「びっくりしちゃった。あそこまでなっているなんか思っていなくて、もう極めつけ。今回はすごく腹が立っている。このままだったら自民党はダメになるんじゃないかなって思う」
【スタジオ解説】
(畑中香保里キャスター)
まさに急転直下の指名でした。
(東島大デスク)
坂本哲志氏は、堅実ぶりが買われてこういう状況下での登板が決まったという話です。本人も単純に喜ぶわけにも行かず、心中も複雑ではないでしょうか。街の人の声にもあったように、今回こそはあきれ果てたという思い多くの人が感じているのでは。
(平井友莉キャスター)
政治資金パーティはそんなにたびたび開かれているのですか?
(東島デスク)
今回問題になったのは政党主催のパーティですが、議員個人のパーティは熊本のホテルでも頻繁に開かれています。チケットに「これは政治資金パーティです」と書かれています。以前取材したパーティは、政治団体や企業関係者で満員でしたが、料理や飲み物はほんの少し。「政治資金パーティはそんなもの」というまひした感覚が、今回のようなキックバックや裏金づくりまで許すようになっていったのではないでしょうか。