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「忘れないで語り継ぐ」熊本地震"前震"から8年 被災地で鎮魂の祈り 273人が犠牲

2024年4月15日 19:28
「忘れないで語り継ぐ」熊本地震"前震"から8年 被災地で鎮魂の祈り 273人が犠牲
2度の最大震度7を観測し関連死を含めて273人が犠牲となった熊本地震から今年で8年です。前震が起きた14日、県内の被災地は鎮魂の祈りにつつまれました。

前震と本震で2度の震度7を観測した益城町。前震から8年を迎えた14日、役場の前には献花台が設けられ、朝から多くの花が手向けられました。
■住民
「8年たったが、今年、能登半島地震もあったことでショックがなかなか抜けない」

熊本地震で県内では19万8000棟以上の建物が被害を受け、関連死を含めた273人が亡くなりました。

県庁で行われた追悼式では、一般の献花が5年ぶりに再開しました。
■献花に訪れた人(宇土市から・50代)
「自分自身がもう1回気をつける意味も込めて、忘れないようにという意味も込めて来た」

追悼式には遺族の姿も。宮﨑さくらさんです。娘の花梨ちゃんが4歳でこの世を去りました。
■宮﨑さくらさん
「あの時のことは、今でも昨日のことみたいに思い出せますし、辛さは変わらない。今からも変わらず一緒にいて応援して欲しいし、見守っていて欲しい」

8年の節目に新たに始まったことも。県が進める益城町を通る熊本高森線の4車線化の延伸です。益城町の古閑交差点から惣領交差点までの620メートルが4車線化され、1.6キロの区間で走行できるようになりました。

■蒲島郁夫知事
「新しい県道熊本高森線が、益城町の復興まちづくり、そして明るい未来につながると確信している」

渋滞緩和や災害時の輸送路を確保するため整備が進められていて、県は来年度末までの完成を目指しています。その一方で、県が進める区画整理事業の影響で、8年経った今も2世帯4人が自宅再建をできずにいます。

地震で大きな被害を受けた熊本城。地震から8年となった14日、宇土櫓の復旧工事の様子が初めて一般公開されました。国指定の重要文化財で400年前の姿を残す宇土櫓は、一度解体した後、同じ部材を使って建て直す計画です。
■見学した人(熊本市・親子)
「あっという間の8年だったなと思う。こういう形で壊れているけど、宇土櫓も頑張ってくれたんだなというのを改めて間近に見て感じた。またこういったところを、この子たちが大きくなった時に改めて知って、こういうことがあったということを伝えてほしい」

次の一般公開は大型連休中の5月3日から5日で、6月以降は毎月第2日曜を予定しています。

日没の後、益城町役場では住民たちが地域のボランティアが作った竹灯籠に火を灯していました。

■親子
「この子も益城で育っていくと思うので、地震があったことを、親としてしっかり伝えていかないといけない」
■中学生
「年がたつにつれて、だんだん過去のことに、熊本地震があったんだと言われるが、これからもこういうことはあるかもしれない。たぶんあるし、大きな被害を出さないためにも、絶対に忘れないで語り継いでいきたい」

あの日から8年。地震の記憶をこの先もつないでいきます。