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上級生が「殺すぞ」熊工高1年生自殺 5件をいじめ認定「自殺に影響与えた可能性高い」

2024年8月21日 18:51
上級生が「殺すぞ」熊工高1年生自殺 5件をいじめ認定「自殺に影響与えた可能性高い」

2022年、県立熊本工業高校の生徒が自ら命を絶った問題で、学識者などによる熊本県の審議会は、上級生が「殺すぞ」と言いながら生徒を指導したことなど5件をいじめと認定し、「自殺に影響を与えた可能性が高い」と判断しました。

熊本工業高校では2022年、当時1年の男子生徒が入学から半年後の10月に自ら命を絶ちました。大学教授や弁護士などで構成される県いじめ防止対策審議会は、20回以上の協議を重ね、学校の対応や自殺との因果関係などを調べていました。そして21日、白石伸一県教育長に結果を答申しました。

報告書によりますと、自殺した生徒が所属する部活動で、3年生が1年生を炎天下の屋上に長時間立たせ、「殺すぞ」と言いながら厳しく指導したことなど5件がいじめと認定されました。その上で、「いじめが生徒の自殺に影響を与えた可能性が高い」と結論づけました。

また審議会は、部活動の中で上級生が下級生を傷つける強い言動や威嚇が自殺の間接的な原因になったとしたほか、顧問の教師や学校側が生徒の心情に配慮した対応をしていれば、生徒の自殺という結果にはならなかったかもしれないと学校の体制を批判しました。

■熊本県いじめ防止対策審議会 八ツ塚一郎会長(熊本大学大学院教授)
「頑張ってついてくるものだけで活動するという風土が、根強く体制としてあった。そうした前提のもとで指導が行われていたという認識」

答申を受けて白石教育長は、「学校と連携しいじめの防止に全力で取り組む」としました。

最終更新日:2024年9月20日 15:31