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総力取材!「くまもと この1年」熊本市の出来事 市政の課題への対応は?大西市長に聞く

2023年12月27日 11:50
総力取材!「くまもと この1年」熊本市の出来事 市政の課題への対応は?大西市長に聞く

今年の熊本のニュースを振り返る「くまもと この1年」。「熊本市の出来事を振り返ります。新型コロナから戻ってきた、まちなかのにぎわい。その一方で新たな課題にも直面しています。

新型コロナの影響で中止が続いていた熊本城マラソン。今年、3年ぶりに復活しました。フルマラソンには約1万5000人が参加。熊本城マラソンといえば、全国のランナーに好評の途切れない沿道からのアツイ応援。今年も約23万2000人が声援を送りました。(熊本市発表)

■完走したランナー
「応援にすごく元気が出て、頑張れました」

熊本市全体が熱気に包まれた1日となりました。

■山本紗英子アナウンサー
「開業まであと30分。すでに40人以上の方が列をなして、オープンを心待ちにしています」

4月、熊本パルコの跡地にオープンしたのが「HAB@熊本」。生活雑貨や飲食店など20の店のうち14店が熊本初出店です。

3階から上は、星野リゾートが手がけるホテル「OMO5熊本」が進出しました。新たな“にぎわいの拠点”として期待されています。

夏の風物詩も復活しました。
■熊本市 大西一史市長
「たまったエネルギーを思いっきり発散していただきたい」

8月、4年ぶりに開催された火の国まつり。おてもやん総踊りには51団体、約4000人が参加。コロナ禍前と変わらない盛り上がりを見せました。

6月、熊本市動植物園にレッサーパンダの赤ちゃんが誕生しました。そして3か月後の9月。
■平井友莉アナウンサー
「杏香ちゃんを見るための整理券の列です」

9月の一般公開が始まった日、多くの人が訪れました。名前は、お父さんの香母酢(かぼす)とお母さんの杏花(シンファ)から漢字を1文字ずつとり、杏香(あこ)とつけられました。
■見学した子ども
「レッサーパンダ大好き。かわいかった」

絶滅危惧種に指定され、年々減少しているレッサーパンダ。熊本市動植物園は、種の保存に取り組むとしています。

一方、動植物園ではこんなことも。
■近くにいた子ども
「ペンギンの前にいた時に、ガーンという音が聞こえた」

園内を走るモノレール。10月、車両5台が衝突する事故が起き、乗客6人が首や腰の痛みを訴えました。熊本市は人為的ミスが原因だったと謝罪。過去にも事故を起こしているモノレール。安全管理の徹底が求められています。

熊本市の課題にどう対応 大西熊本市長に聞く

熊本市が直面する課題にどう対応するのか、12月、KKTは大西一史市長に単独インタビューしました。
【市庁舎建て替え問題】
まずは、耐震不足を指摘され、長年、議論が続いている市庁舎の建て替えの是非について。6月に大西市長が示した方針は「建て替え」でした。

■熊本市 大西一史市長
「有識者会議の中で専門的に検討していただいた結果、やはりここは建て替えるべきだということで、これまで取り組んできた」

この問題についてまちの人は。

■80代女性
「今の市庁舎を建設してだいぶ経つからね」
Q建て替えた方がいい?
「お金があればね」
■70代男性
「私個人としては、建て替えの必要はないと思います。まだ使えるんじゃないかという声は多いと思います」
■70代男性
「今の庁舎は、ちょっとお手洗いなどが暗い」
■30代男性
「交通の利便性とか考えると、市電沿いとかの方がいい」

若者からはこんな声も。
■10代女性
「建て替えるなら、ちょっとした図書館と一緒にカフェみたいなものがあれば、待ってる時間など暇つぶしになるし、WIFIとかあったらいい」

これに対し大西市長は。
■熊本市 大西一史市長
「古いけど、そこまで大丈夫なんじゃないのという話がありますけど、最悪の状態を考えて我々はプランを考えていかなければいけない」

市議会では、市庁舎の防災拠点機能をめぐり、茨城県日立市を例にあげ、水害への懸念が示されました。
今年9月、記録的な大雨に見舞われた茨城県日立市。庁舎の近くを流れる川があふれ、建物内が浸水。地下の電源設備が水没したため、停電も発生しました。日立市の庁舎は、東日本大震災で被災して以来、「防災拠点機能の充実」を基本計画のひとつに建て替えられたばかりでした。(2019年工事完成)

■熊本市 大西一史市長
「市役所が機能しないとどうなるのかということを、皆さんにしっかりお伝えしなければいけないと思いました。将来の世代にできるだけ負担を残さないようなかたちで設計をしていくということが非常に重要になってくると思います」

12月19日、熊本市は、市中心部の城東町、手取本町、桜町、それに花畑町の4つのエリアを軸に新たな庁舎の整備を検討する考えを示しました。一方、民間事業者への調査から候補地に挙がっていた白川公園は、利便性が悪いことなどを理由に候補から外す方針です。防災の拠点や経済活動の中心としての役割を求められる市の庁舎。より具体的な議論が急がれます。

次に大西市長に聞いたのは、熊本市にある井戸39か所や、市内を流れる井芹川とその上流の鐙田川で国の指針値を超える濃度の有機フッ素化合物が検出された問題です。

12月、WHO・世界保健機関の国際がん研究機関は、熊本市でも検出されている有機フッ素化合物の発がん性の評価の引き上げを発表しました。PFОAを最も危険性が高い「発がん性がある」としたほか、PFОSについても「発がん性の可能性がある」としました。

この問題について、まちの人は。
■60代女性
「以前から熊本は水はとてもいいと安心してが、とうとう来たかという感じ」
■80代女性
「私の家も地下水を使っていたけど、水道に変えたんです。お風呂も」

大西市長は。
■熊本市 大西一史市長
「例えば検出される場所の近くに昔何があったのか、あるいは不法投棄がないかなど、原因が何なのかしっかり突き止めなきゃいけないということで、我々も徹底的に調査をさせていただいています」

1日も早い排出源の特定とともに、住民への適切な情報発信が求められます。