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TSMC進出で熊本県への環境不安の声も「環境問題はみられない」

2023年10月3日 18:27
TSMC進出で熊本県への環境不安の声も「環境問題はみられない」

台湾の大手半導体メーカーTSMCの進出で、関連企業の集積が進む一方、熊本県内では環境への影響を不安視する声もあります。

こうした声を受け、熊本県は台湾で調査を行い、「環境上の問題は見られなかった」とする調査結果を報告しました。

■県環境政策課 枝國智子課長「半導体関連企業集積に伴い環境への影響を懸念する声も寄せられていることから、多くの半導体関連企業が集積する台湾のサイエンスパークを訪問し、地元行政機関などに環境の状況について調査を実施した」

県は3日の県議会常任委員会で、台湾への訪問で得られた環境調査の結果を報告しました。

台湾では、TSMCなどの半導体関連企業が集積する2つのサイエンスパークを訪問。
地元の行政機関が行うモニタリング調査の方法や結果を確認しました。
その結果、パーク周辺の地下水や河川の水はほとんどの調査項目で日本の環境基準を満たしていて、基準を超える一部の物質も、サイエンスパークではなく地質の影響が原因だということです。

また、一部の県民から寄せられた「台湾でTSMCが原因の深刻な環境問題が発生している」という意見について県は、地元の行政機関に問い合わせました。
その結果、TSMCが原因で深刻な環境問題が発生したという事実はないことと、サイエンスパーク周辺で水質や大気の苦情はないことを確認したということです。

TSMCをはじめとする半導体関連企業は洗浄の行程で地下水を大量に使います。
このため県は、TSMCの子会社JASMや菊陽町などと、地下水のかん養に取り組む協定を締結したほか、今後、地下水を採取する企業に、採取する量と同じ量のかん養を義務付ける指針を10月1日に施行しています。

県は台湾での調査結果を周知するとともに、地下水の調査を継続し、県民の不安解消に努めたいと話しています。