「老朽化と利用者減少」で廃止検討 益城町の入浴施設存続求める請願に町議会は
益城町にある入浴施設「益城町町民憩の家」の廃止が今、検討されています。一方、地元住民が施設の存続を求め18日、町議会に請願を提出しました。
18日の益城町議会。傍聴席に続々と地元住民が入っていきます。約40人が詰めかけたその理由は、町内の入浴施設「益城町町民憩の家」の存続を求める請願の採決です。
1991年に町が開設した「町民憩の家」。大浴場やサウナといった入浴施設やロビー・休憩室など、地元の人の交流の場として親しまれてきました。一方、課題となっているのが施設の老朽化と利用者の減少です。
「町民憩の家」は、開設から30年以上が経過し、いたるところに劣化が見られ、町は改修費に1億7000万円を見込んでいます。2012年度には7万7000人を超えていた利用者は、昨年度は4万1000人と約半減。過去5年間の利用者は、65歳以上が80%以上を占めています。
こうしたことから、町は今年3月、事業の見直しを含めた基本計画を策定。その後、有識者による検討委員会を設置し、施設の存続を検討してきました。そして9月、検討委員会は町に対し、「施設の改修費用や維持管理費用による財政負担、将来的な利用者の増加が見込めない」などとして、「存続は適当でない」とする結果を答申しました。
一方、地元の住民でつくる「町民憩いの家存続を願う会」は、施設の存続を求めて8月、4348人分の署名を町長と議長に提出。18日にの町議会に「ここ3、4年の利用者が減ったのは、新型コロナ対策によるもので、2年間運営した上で存続か廃止かを判断すべき」などとする請願を出しました。
そして、採決の結果、議長を除く議員17人のうち、賛成が7人、反対は10人で請願は不採択となりました。
■「町民憩の家存続を願う会」天神原義春さん
「今日の採決を見てがっかりしました。地震が起きた時も、憩いの家に入りに行く時は本当にうれしかったです。友達と話す機会もあったし」
■「町民憩の家存続を願う会」岩﨑康通会長
「これから町長・執行部に向かって、一生懸命まだ(存続の要請を)続けていきたいと思う」
益城町は「町民憩の家」について、今年度末までに存続か廃止か結論を出す方針です。