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WHO"有機フッ素化合物の発がん性"指摘 地下水・川の水で指針値超の熊本市長は

2023年12月5日 18:34
WHO"有機フッ素化合物の発がん性"指摘 地下水・川の水で指針値超の熊本市長は

熊本市の地下水や川の水から有機フッ素化合物が検出された問題です。WHO・世界保健機関のがん研究機関が、有機フッ素化合物の一部について発がん性の評価を引き上げたことについて、熊本市の大西市長は汚染の原因を早急に突き止めたいと述べました。

WHO・世界保健機関の国際がん研究機関は、有機フッ素化合物の一種のPFОAを、最も危険性が高い「発がん性がある」としたほか、PFОSについても「発がん性の可能性がある」と発表しました。PFOSやPFOAは、はっ水加工のフライパンや化粧品、泡消化剤などに広く使われていましたが、現在は使用や製造が規制されています。

熊本市では、これまでに市内の井戸39か所や、井芹川とその上流の鐙田川で国の指針値を超える濃度の有機フッ素化合物が相次いで検出されていていますが、原因は分かっていません。

国際機関から発がん性が指摘されたことについて熊本市の大西市長は。

■熊本市 大西一史市長
「汚染の原因が何なのか、しっかり行政としては突き止めること。国あるいは県や関係機関と連携を取りながら適切に対応をしていきたい」

熊本市は、水道水については安全が確認できているとした上で、基準値を超えた井戸水は飲まないよう呼びかけています。

【スタジオ】
この問題で伊藤環境大臣は、5日の閣議後の会見で「政府が設置した専門家会議の場で協議する」と話しました。この専門家会議のメンバーの一人が、KKTと共同で調査している京都大学の原田浩二准教授です。

(東島大デスク)
原田さんは、「今回は腎臓がんと精巣がんについての評価で、がん全般ではないが、現在進められている日本での基準作りに影響するのは間違いない」と話していました。これまで発がん性という点ではあいまいな評価だったものが、明確に発がん性があると断じられたということです。これまで以上に熊本市は厳しい対応が迫られることになります。